迷宮の恋物語
□06,5.
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考えてることは一緒。
でも才能は違う。
風斗はアイドルで、ダンスが上手い。
歌は人並みだけど、カッコイイ。
私は読者モデルで、表情を作ることが上手い。
歌は風斗に負けず劣らず。
双子である私達はそれぞれの場所で名を轟かせつつあって。
プルルルル…
『どうしたの?空璃』
「風斗、今時間ある?」
『まあ、少しならね。何かあった?』
「昨日ね、新しい家族が来たよ」
『あー、美和の再婚相手の。別に僕は興味ないけど』
「そんなこと言わずに」
『でも、空璃から電話してくるなんて、珍しいよね』
「…っ。うるさい…、お姉ちゃんができたから教えてあげただけだよ…」
『…ふふっ。空璃ってば素直じゃないんだから』
「…、次はいつ会える?」
『んー、分かんないけど…空璃が寂しがって泣きそうだから近いうちにね』
「!?///寂しくないし!」
『僕と空璃は双子だよ?考えてることなんてお見通し』
この双子の兄は本当にずるい。
会いたいと思ってるときに心が通ってしまう。
風斗も私に会いたいと思っていること。
『あ、もう時間だから行くよ』
「うん、頑張って…」
『…大好きだよ、空璃』
「っな!!」
『ふふっ…』
プープー…
「き、っ切りやがった…!!///」
その頃の風斗は。
「っはー…、ったく…可愛すぎ」
「なんだー風斗、彼女か?」
「ふふ、ご想像にお任せするよ」
「なんだそれ」
フォルテのリーダーに茶化されながらも笑顔で居る風斗。
それに気持ち悪さを感じたリーダーだった。
*end