迷宮の恋物語

□09.
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絵麻ちゃんが来て1ヶ月が過ぎた。


正直なところ、兄たちと上手く生活していけていられるのかな、と思ったけど、大丈夫なようだ。


ぺらりと小説のページをめくる。


今読んでいる小説は、今椿兄が吹き替えをやっているアニメのノベライズ版。


戦闘シーンが多い武将モノだ。


歴史は結構聞いたり見たりするのは面白いと思う。


ピンポーン


インターホンが鳴った。


今は夜の9時。少し遅い時間だけど、誰だろう?



「(椿兄だったら追い返したいんだけど…)」



少し躊躇いながら、小さなレンズの奥を覗いた。




あれ、絵麻ちゃん…。












迷宮の恋物語【09】

















絵「私の部屋のお風呂が壊れちゃってて…空璃ちゃんの部屋のお風呂使わせてくれない?」


「うん、いいよ。でもそれなら5階の大浴場使えばよかったのに…」


『そんなことさせられるか!万が一ここの男共が来たりしたら!』


「ジュリくんは心配性だね。でも大丈夫だよ。そんな不純な兄はいないし!…多分ね


絵「そういうことだから…。大きなお風呂もいいなって思ったけど、また今度にしようかなって」


「そっか。そういうことなら、どうぞ自由に使ってね」


絵「ありがとう」



にっこり笑った絵麻ちゃんは、じゃあ着替えもってくると言って部屋を出て行ってしまった。


数分後、絵麻ちゃんが戻ってきた。


もちろん、ジュリくんもいる。


その間、私はジュースを飲みに5階へ行った。


部屋にはラテがあるけど、冷たいものが飲みたい気分だった。


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