迷宮の恋物語

□07.
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迷宮の恋物語【07】





ジリリリリ…



『ふぁ〜っ…』


「おはよう、空璃」


『ん〜おはよー、…って!!?』


梓「僕が起こすまでもなかったね。今日は一回で起きた」


『だって…早くお姉ちゃんと話したいし…』


梓「ふぅん、絵麻が気に入ったんだ?」


『やっぱり初めてのお姉ちゃんだし…。女の子同士盛り上がってみたいというか…!』


梓「(キラキラしてる…)もう懐いたんだね」


『う、うん…!』



ベッドから降りて、クローゼットへ歩いていく。


今日はどんな髪型にしようか。


考えながら服を取り出す。



『あ、梓兄…』


梓「じゃあ僕は先に行ってるね」


『うん。さすが梓兄!椿兄だったらしつこいし…』


梓「確かにね。あ、忘れてた」


『え、何…』



ちゅっと額に柔らかな感触。


髪の上から、梓兄の唇が触れたのだ。



梓「じゃあまた」



笑顔の梓兄をぼーっと見つめ、梓兄が部屋を出てから我に返った。


梓兄ってば、椿兄化してる…っ!


あのクールで頼りになる梓兄が…。


その時にかぁっと額から広がる熱。


顔が運動した時みたいに熱くて、覆うように掌をあてた。


自分の手は寝起きだったので温かく。


でもそれよりも、自分の頬が熱くて。



『着替えよ…、』



ほぼ皆きっとリビングに集まってるよね。


今日は日曜日だからまだ寝ててもいい時間だけど、お姉ちゃんと話してみたいし!


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