ワールドトリガー

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ソロでA級だったマオが太刀川隊に入った理由は、太刀川の執拗な勧誘だった。


「なーなー、一緒に隊作ろーぜーマオー」

『なんで?』

「そんな冷たくすんなよ。同じ高校のよしみでさー」

『…私の実力が太刀川の作るチームで役に立てる?』

「当たり前、だろ。お前は俺並みの弧月使いだ。俺たちならA級グループで1位にもなれるぜ?」


すっ、と手を差し出す太刀川に
その手をじっと見つめるマオ。


『…?』

「お前!握手も知らねーワケじゃねーだろ!」

『その手をとったら組むってことでしょ』

「組むだろ?」

『…"違うの?"って顔で見ないでよ』


むむむ…と悩むマオ。
その間もずっと手を差し出している太刀川。
この光景は告白している男とそれを悩んでる女のようだ。


「ねえ?マオサン?そろそろ手ェ痺れてきたんだけど」

『知らないけど。太刀川が勝手にそうしてるんじゃない』

「ぐ…っ」

『まあ…チームとかそういうの考えたことなかったから太刀川の隊に入ってあげてもいいよ』

「ほんとか!?」

『その代わり。やるからにはちゃんとA級1位にしてよ?太刀川隊ちょ…』


ぎゅう

マオが太刀川の手をとるより先に、
太刀川がマオを抱きしめた。


『!?ちょっとセクハラ!変態!はーなーしーて!』

「ありがとう、ほんっとありがとう。お前のことは俺が守る!!」


鳩尾をグーパンチ。


「うぐっ!?」

『私だって強いから自分くらい自分で守れる。太刀川だって分かってるでしょ』

「そ、ソウデシタネ」


こうして太刀川隊は結成した。
その後、太刀川は入隊早々天才だと噂されているC級隊員の出水を勧誘するのだ。


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