AmouR.

□#03.CHILDREN WORLD
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『春ちゃんの姪が来てるんだ?』


「はい!もう可愛いんですよ!」


『一目見てみたいなぁ。今日春ちゃんの家行ってもいい?』


「はい!是非遊びにきてください」



隣で花を飛ばしてる美雨と春。



「まあ、お月さまがどーとか言っちゃうあたり春の血がしっかり受け継がれてる感じはするよね」


「メルヘンなところがねー」



悠太と祐希の話を聞きながら、

春ちゃんのもってる苺のポッキーを1つ摘んだ。


チョコレートのポッキーと違って甘い苺のポッキーは最高だ。



「春、あのあと言ったのか?」


「?何をです?」


「あ?月だよ。誰についてきてるわけでもねぇってこと」


「言ってませんよ、そんな夢を壊すみたいな」


『月?』


「そうなんだよ、春の姪が月が付いててくれたから平気!とか言ったんだぞ?」


『ふぅーん…何だか可愛いね』


「はぁ!?どこが!」


『子供らしい発想でいいよね』


「美雨ちゃんもそう思いますよね!子供の純粋で可愛い部分だって大切にしたいですよね!」



珍しく春ちゃんが強い意志を持っている。


メルヘンチックな思考を持つ春ちゃんは姪の子の気持ちが十分分かっているんだろう。


要は頭がいいから…悪く言ってしまえばカタいから、そんな現実味のないことが嫌いなんだろう。



「要くんってそういうとこホントかたいですよね」


「…お前こそ、ふわふわすぎるその脳みそをどーにかしたらどうだ」



バチバチッ


珍しく衝突が起こった。



「おやおや」


「まあまあ」


『…;』



悠太と祐希は暢気にそう呟いた。



それから、帰りまで春ちゃんと要が口をきくことはなかったのであった。


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