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□貴方の初めて(後編)
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「…んー…?」
「!!!」
足をばたつかせたせいか、隣にいる悟飯が起きてもそりと動く気配がした。
小さな声で呻きながら上体を起こして、そして視線が自分の方に向けられているのを強く感じた。
変な汗が、背中を伝う感覚にトランクスは思わず体を強張らせる。
「…トランクス、」
「!」
「こんな所で寝ると風邪を引くぞ?」
ぽんぽん、と軽く背中を悟飯が叩いている。
トランクスはそれに反応して勢いよく体を起こし、そして悟飯から距離を取るようにして後ずさった。
後ろめたい気持ちと、まだ唇に悟飯との感触が残っているせいでまともに顔を見ることが出来ない。
恥ずかしくて申し訳なくて…トランクスは赤くなった頬を隠すようにして俯いた。
「どうした、トランクス?」
「い、いえっ!…なんでもありませんっ」
「なんでもないって…顔、真っ赤だぞ?」
「…!」
「いや、耳まで真っ赤…だな。」
「〜〜っ」
どうしよう。なんと言ったらこの赤くなった顔を誤魔化せるのだろう。
自分の事には疎いというのに、他人の変化にはとても敏感だ。
そしてこうなった悟飯は納得するまで拷問のような質問攻めが始まってしまう。
トランクスは余裕の無い頭をフル回転させた。
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