おまけ

□僕の出来る事 (おまけ)
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「あの…ブルマさん、ちょっと良いですか?」


「…?どうかしたの?」



3人で夕食を済ませ、そろそろ寝ようかと考えていたブルマの元に、悟飯がやって来た。


扉の隙間から顔を覗かせ、様子を伺うようにしている悟飯。

その姿にブルマは首を傾げた。


妙に歯切れの悪い言い方に、後ろめたそうな態度を取る悟飯の行動に思い当たる節がない。



「それより、そんな所にいたら寒いでしょ?中入んなさいよ。」



ベッドに腰掛けたまま手招きをすると、悟飯は扉の前で一度一礼し部屋の中へと入った。


改まった態度を取る悟飯に、さらにブルマは首を傾げた。



「実は、ブルマさんにお願いしたい事があって…。」



悟飯君からからお願いだなんて、珍しい事もあるものね…と思いながら、ブルマはベッドから少し身を乗り出す。

取り敢えず、悟飯の言葉を待った。



「トランクスの事なんですけど。」


「トランクス?」


「はい。」



ブルマは顎に手をあてながら小さく呻いた。



『今日トランクス何かしちゃったのかしら。』



楽しそうに遊んでいたし、仲良く一緒に眠ってもいたのに、どうしたと言うのだろう。


もしかしたら自分の見ていない所で、二人に何かあったのかもしれない。


そう考えていたブルマだが、次の悟飯の言葉によって大きく裏切られる。



「僕、トランクスのお兄ちゃんになりたいんです…!」


「へっ!?お兄ちゃん??」



思わず声が上ずってしまった。


自分の想像していた内容の斜め上を行かれたような気がして、間の抜けた言葉しか出てこない。



『いきなり唐突な事を言い出す所は、やっぱり親ゆずりなのかしら……うん、きっとそうね。』



少々驚きはしたが、幼い悟飯から懐かしい友の姿を垣間見た気がして、ブルマは嬉しそうに微笑んだ。



「いきなり何を言うのかと思ったら…そんな事?」


「あ…えっと、ごめんなさい。」



思わず謝ってしまう悟飯の姿に、ブルマは笑みの色を濃くする。



「トランクスも悟飯君も、私にとっては大切な子供よ?いちいち許可なんて取らなくても良いの。」



不安そうに揺らいでいる瞳を落ち着かせる様に、ブルマはふわふわとした悟飯の髪の毛を撫でながらきっぱりと言い切った。



「それに私は大歓迎よ?こんなに礼儀正しくて優しいお兄ちゃん。」



それを聞いた悟飯は、優しく微笑むブルマの姿と言葉に瞳を輝かせた。



「じゃあ、僕トランクスのお兄ちゃんになっても良いんですか!?」


「もちろん!と言うか、私は最初からそのつもりだったんだけどね。」



ブルマはウインクをし、おどけて見せる。



「さーて!明日はトランクスのお兄ちゃん誕生パーティーでもしようかしらね〜!」



んー、と背筋を伸ばしながらブルマは自分に気合いを入れた。



「ブルマさん!僕も準備お手伝いします!」


「ありがとう。流石お兄ちゃんねぇ。」


「はい…!」



二人は同時に顔を見合わせて、笑い合った。


今夜は少し風が強く、寒いはずなのに、あまり寒さを感じなかった。

それはきっと、心が幸せに満ち溢れているからなのだろう。


こんな小さな幸せな日が、毎日続くようになれば良い。ブルマは心の隅で願いながら、ベッドで眠っているトランクスの頬を撫でた。


【完】
その十数年後、大人になった悟飯に「トランクスを僕に下さい」と言われるとはブルマも思ってはいなかったでしょうね(←)
ただ律儀に悟飯がブルマにお願いをしていく姿を書きたかっただけなのになんだこれ。本当に長々と失礼しました。

これで本当におしまい!グッバイ…!


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