45cm差の恋
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今日は秀徳高校の入学式だ。
どんな人がいるかな、仲良くできるかな…。
不安半分、楽しみ半分でいると、声をかけられた。
「おーい、結香ー、はやくこっち来いよー!クラス分けの紙貼ってあるぜー!」
「そーそー、結香はやくー!」
和くんと茉莉ちゃんだ!
『あっ、うん、今行くー!!』
和くんこと高尾和成は私の幼馴染で、茉莉ちゃんは私の唯一の親友だ。二人とは同じ中学だったから、秀徳に来るときも心強かった。
クラスの紙を3人で見ると、私と和くんは同じクラスだったけど、茉莉ちゃんだけクラスが離れてしまっていた。
「うっわー、あたしだけクラス違うとか悲しっっ…高尾、替われよw」
「やっだねーw俺、結香が他のやつにたぶらかされないように見張るんだからーw」
「くっそー…、じゃ、ま、結香任せたわよ!ってことで結香、頑張るのよ!なんかあったらすぐあたしのクラスくるのよ!」
『茉莉ちゃ〜ん…寂しいけど和くんいるから頑張る!茉莉ちゃんも頑張ってね!』
「おうよ!んじゃ後でね〜」
そういってひらひらと手を振り、どんどん入学式の会場となる体育館に入っていった。
私もそろそろ行かないと…
『和くん、早く行こう!』
「おう!行くか!」
入学式が終わって、クラスに行く。
「席は…えと…あ、一番後ろだ」
私は自分の席に座る。和くんはどこだったんだろう…、あ、結構前だ…離れちゃったなぁ
和くんは発見したけれど、もう少しきょろきょろしてみる。すると、変わった人が居た。
座ってても大きいとわかる身長に、緑の髪。何より机の上には、カエルのぬいぐるみ。
…なんかいろいろすごい。
そんなことを考えてると、先生が来て、HRをはじめた。色々話した後、先生の
「じゃあ自己紹介はじめまーす!」
の一言で自己紹介がはじまった。
…この人たちと授業したりするのかぁー、楽しそうだなぁ
「はーい、じゃあ次、紺野さんねー」
やば、何も考えてなかった…どうしよ
『あ、えっと、紺野結香です!これからよろしくお願いします!』
…焦ったけど、なんとかなった。かな?
…あ、次、緑くんだ。名前も緑入ってたりするのかな??
「緑間真太郎だ、よろしくなのだよ」
眼鏡を直しながらそういってスッと座った。
やっぱり緑入ってるんだぁって思ったけど、それより身長が高い!何センチあるんだろう…180?190??
そんなことを考えてると、先生が、「緑間君、その机の上のものは何ですか」と若干笑いをこらえながら言った。すると、今日のおは朝のラッキーアイテムなのだよ、と当たり前のように言った。
ラッキーアイテム?と思って首をかしげているとクラスのみんなが大爆笑した。先生も笑ってる。…和くんめっちゃ笑ってるけど…緑間くん?、気分悪くならないのかな
「真ちゃんうっそだろー?それ俺冗談だと思ってたけどまじで今日もやってんのかよww」
「うるさい、黙れ。俺は何事にも人事を尽くすのだよ。」
…あれ?和くんの友達??とか思ってる間にみんなの自己紹介が終わった。
HRが終わって和くんのところに行く。すると和くんが、
「おー結香!真ちゃん見たろ!?あいつおもしれーよな」
といった。真ちゃんって緑間くんのこと??と聞き返すと、そーそー、って言って私の手をひいて緑間くんのところまで歩いていく。私も良くわかんないけどついていく。
「真ちゃーん、やっほー」
と声をかけた。
「…なんなのだよ高尾、うるさいのだよ」
緑間くんがそういってちらりと私を見た。
わわ、恥ずかしいっ
そう思って和くんの後ろに隠れる。すると、
「なぜ隠れるのだよ」
と言われ、和くんにも隠れんなーって言われて後ろから引っ張りだされる。やっぱり恥ずかしい。
そんなで顔を背けたままいると、
「あ、真ちゃん、こいつと仲良くしてやってな!人見知りだからw」
と私の肩をトントンとたたく。
「…紺野、よろしくなのだよ」
あれ、名前覚えてくれたのかな。ちょっと嬉しいかも!だから私も笑ってよろしくねっ、緑間くん!と言った。
心なしか緑間くんの顔が赤く見える。なんだろう?考えていると、和くんがニヤニヤしながら緑間くんに、
「あっれー?よく結香の名前覚えてんじゃーんw」
と言った。その後すぐ、
「うっうるさいのだよ!こいつが小さすぎるから印象に残ってただけなのだよ!!」
と言った。まぁ小さいけど…なんか悲しいような…
そんなこんなで私はなぜか和くんにバスケ部に連れて行かれるのだった。