魔法少女リリカルなのはsts The Darknes Beetle〜友との約束、彼女の笑顔〜

□NEXT0 始まりの日
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数年前


雨が降り続くミッドチルダの路地裏に二人の男がいた

一人は胸から血を流しながら地面に横たわる男
もう一人は血を流した男の血を止めようと必死に傷口を押さえていた

「…■■■……俺の…事は…もう………いい……」

血を流している男は傷口を押さえている男にそう言った

「いい訳あるか!もう少しで治癒魔導師がこっちに来る!だから死ぬな!■■■■!!」

傷口を押さえている男は血を流している男に必死に呼びかける

「じ…自分の……体の事は……自分がよく……知って……いるよ」

血を流している男はそう言うと首に掛けていたペンダントを引きちぎり、傷口を押さえている男に渡す

「これを……あいつに……」

「っ、馬鹿言うな!それはお前があの子に渡せ!」

傷口を押さえている男は血を流している男にそう言うが、男は顔を少し上げ、弱々しく笑いながら口を開く

「悪い……もう駄目だ…俺の……代わりに……あいつを……■■■■を……守ってくれ…■■……■」

血を流している男は最後にそう言った後、安らかに眼を閉じた

「おい…眼を開けてくれ…相棒。死ぬな……頼む!死なないでくれ!■■■■ァァァッ………!!」

相棒を失った男の叫び声は降り続ける雨音によってかき消された……









数年後

ミッドチルダ、墓地

そこに一人の男がある墓の前に立っていた

「久しぶりだな、相棒」

男は墓に声をかけながら、墓の前に座る

「お前の妹は機動六課に入隊したらしいぞ?」

男は楽しそうに墓前に話しかける
まるで目の前に親友がいるかのように……

「早いものだな……。あの泣き虫だったあの子が立派な魔導師になるなんてな」

男は首に掛けているペンダントを手に取り、横についているボタンを押すとペンダントが開き、中には写真が嵌められていた

写真には一人の男とその男の服の袖にしがみついているオレンジ色の髪を二つに束ねた幼い少女が写っていた

「……っと、そろそろか」

男は墓前から立ち上がる

「じゃあな、俺はもう行く。お前は安心して見守っていろ相棒」

そう言った後、墓地から立ち去る男
その男の後に黒いカブト虫が着いて行く



………男が立ち去った墓前にはこう刻まれていた
ティーダ・ランスターと……




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