秋企画

□ハロウィンで
1ページ/1ページ



ハロウィン…宮城は喜んでくれるだろうか

俺は仮装を実家から持ってくる
黒いマントと魔女帽子
カボチャの形をしたバックだ
短期留学した際向こうで買ったものだ

「宮城…」

もうすぐ帰ってくるはず
メールきたし、


「ただいま…」


きた…宮城
ぺたぺたと歩き玄関へ向かう

「忍?…どうしたその格好」

「日付」

玄関口のカレンダーを指差す

「あぁ、ハロウィンか」

「お菓子」

「忍、残念ながらお菓子はない」

「ならイタズラする」

俺は宮城の腕に自分の腕を絡める
ぎゅっときつく絡めた腕は宮城も嫌がると思った
でも宮城は苦笑するだけだった

「忍ちん、今日は機嫌いいんですね」

「その呼び方、嫌だ」

「忍くーん、夜ご飯食べたのか?」

あっ、ハロウィンの仮装で頭が一杯だった
俺は慌ててキッチンへ行く
宮城はクスクス笑っていて

「いいよ忍、今日は食べに行こう」

「、ごめん」

俺は俯いてしまう
宮城は俺を撫でてくれる

「忍、…可愛い格好してくれたんだ、今日は俺が作るよ」

「食べに行くんじゃないの?」

「お前のその格好、着替えさせたくない」

宮城の言葉に顔が真っ赤になる

「宮城、すきっ」

宮城にぎゅっと抱きつき俺は煙草臭い宮城のシャツに顔を埋める
小さい咳が出るものの俺は宮城から離れない

「こら忍、離れないと夕食作れんだろ?」

「無理…俺…宮城といちゃいちゃしたい、」

涙がぼろぼろと溢れてくる。
悲しくて泣いてるんじゃない
嬉しくて泣いているんだ
泣きかたが男らしいって言われるけど
今日は少し泣き声を押さえている

「声だしてもいいぞ」

そう言われ泣き声が大きくなる

「忍、出前にしよう。なに食べたい?」

「…宮城の料理」

「なら離れてくれ、」

そう言われて俺はふらふらと宮城から離れて宮城を見つめる

「忍、ソファで待ってなさい」

「んっ」

頷くとふらふらとソファに座り帽子の先っぽをくしゅくしゅと触る
カボチャの形の中には沢山のお菓子
チョコレート、キャンディ、マシュマロ
一つ一つがハロウィン使用に包装され可愛い
チョコレートは宮城と食べようと思っている
海外の友達に貰った。
かなり強い高級なお酒が入ったチョコレートらしい
酒好き宮城も満足してくれるだろう
チョコレートを見るたびにやにやしてしまう

「簡単なものしか作れんな…」

「別に俺は構わない」

振り返り顔を真っ赤にする
キッチンに立つ宮城はいつもの3倍はかっこいい

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ