DIABOLIK LOVERS〜短編〜

□失って気付く愚か者No.1
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コーデリアは完全に死んだ。


ボクが愛するコーデリアを殺したんだ。


「んふ…あは…ははははっ!」


こんなに嬉しい事なのに…


何で心は晴れないんだろ?


どんなに笑ってもから笑い。


ふと目の前に視線を移した。


目の前に転がってるのは…


死体。残骸。


そう…ビッチちゃんの…


「何でかなぁ?

コーデリアを殺すために利用しただけの人間なのに」


どうして涙が頬をつたうのかな?


なんでボクは泣いてるの?


「キスして…だなんて

愛らしいことを言うじゃない

ボクはキミを利用してただけなのに…ね」


そう思えば思うほど


涙が溢れてくる。


涙とともに溢れてくるのはキミとの思い出の数々。


キミの体温が…


恋しくて…


ボクは目の前にある亡骸を抱き寄せた。


でも…


どんなに抱きしめても…


いつもの温もりなんてない。


「あはっ…バカだなぁボクは」


ボクはさ…


偽りの愛だと自分に言い聞かせて


きっとキミを…本当に


「愛していたんだ…




ユイ…っ…」


どんなに呼んでもキミが返事をしてくれることなんて無いんだろう?


あぁ…失って気付くなんて


ボクはなんて愚かなヴァンパイア…




→あとがき
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