long story

□プロローグ
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途端、ビクリと反応を見せる少女。


少女の反応を見てニヤリと笑った男は、今度は突起の先端を爪で軽く引っ掻いた。


それだけのことなのに、少女の身体には甘い痺れが広がる。



「―――っ」



少女は声を出してしまわないように、ギュッと唇を噛み締めた。


少女が声を我慢していることに気づいた男は、またニヤリと口角を上げる。


そして、今度は乳房に舌を這わせた。


男は乳首を舌で転がし、愛撫する。


――――もうダメかもしれない。


少女の頭にそんな考えが過ぎる。


途端、強く吸い上げられた乳首。



「ああんっ……やめっ――」



強い刺激に少女は思わず声を出してしまった。


一度、胸から顔を離した男。



「……嫌がってる割には感じてるみたいだけど?」


「ち、が―――」


「へぇ。じゃあ確かめてみようか」



不気味に弧を描いた男の唇。


スカートをたくし上げた男の手に、少女の身体が本気で強張る。


少女は精一杯の声を振り絞って叫んだ。



「誰か助けて――…っ!!」



刹那。ブワッと強い風が路地に吹き付けて。



『そこで、何をしているの?』



路地の奥から聞こえてきた高い声に、全員の動きが止まる。


薄暗い中から姿を現したのは、一人の少女だった。



『ねえ、何をしているの?』



鈴を転がすような綺麗な声。


その場にいる誰もが彼女にくぎ付けになる。


―――絶世の美少女だった。



「……いや、何も?」



彼女の声に我に帰った男が、犯そうとしていた少女を離し、笑みを浮かべる。


少女を押さえ付けていた周りの男どもも、美少女のあまりの美貌にほうけてしまい少女を掴む力が弱まったため、支えを無くした少女は壁を背にズルズルと座り込む。



「ところでキミ、どうしてこんなとこにいるの?」



目の前には絶世の美少女。


男は彼女をターゲットに定めたらしかった。



『たまたま』



美少女は答える。



「………っ」



けれど彼女の視線は、服の前を押さえ座り込み、俯き涙を流している少女に向けられていた。


男はそのことに気がつかない。


ニタニタと気味の悪い笑顔を浮かべ、美少女に歩み寄る。
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