long story**
□僕と小さい私
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「あぁ…、だるっ」
いつもとなんも変わらん朝。
太陽が顔を出し、小鳥は歌を唄っている。
ただ、ひとつ違うのは、
りのがいーひん。
毎朝一緒に登校するハズなんやけど、
<こめん、京あさ活けない>の
誤変換だらけのメール。
(なんやろ…、嫌な予感しかしーひんわ。)
にっこり笑っているような空がむかつく。
なんでこんなに晴れとるん?
「おっはよぉ!なんや、財前。朝からテンション低いなあ。」
「謙也先輩、きしょいっすわ。」
「ひどっ! 朝から毒舌やね〜。…あれ?りのちゃんは?今日、おらんの?」
なんでこの人はここまで鈍感なんだろうか。
だからいつまでも童貞言われt「ああ?」
「今日はムリっちゅーメールがあったんすわ。」
「そうなんや。愛しのりのちゃんおらんと寂しいな〜、財前。」
「謙也先輩、ガムテープ持ってません?」
「じゃっ、じゃあ!」
シュタタタターっと音を立てながら、
ものすごいスピードで逃げていった。
さすが、浪速のスピードスター(自称)
先輩をイジくりたおしていたら、
学校に着いた。
その後も1日が進んでいったが、
調子が全然でーへん。
白石部長にも心配されてしもーた。
(あーもうなんやねん。りのおらんだけで俺、こんなんなってしまうんか。)
そんな自分に苛立ちながらごみ箱を蹴った。
『いった!なんやねん!!』
(は?なんやこの声。)
すると聞き覚えのある声がした。
(どうなってんねん、俺。やばいんちゃうん?)
恐る恐る、ごみ箱の裏を除いてみると、
『光っ!』
「りのっ!?」
そこには小瓶に入った、りのがいた。