日常に生きる半透明少女
□マジで眉毛が仲違いしてやがる
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待ちに待った放課後!黒子っち!黒子っちに会えるよやったね私!
マネージャーの私は制服のまんまでいいのかな、と少し不安になりつつも今日はジャージを持って来ていないから仕方ないかと思いかばんを持って体育館へ行く。
「よーし全員そろったな」
「一年はそっちな」
全員そろったのかーと思いまわりを見渡してみる。いたいた黒子くん。目の保養。ガン見していたら視線に気付いたらしい黒子くんとばっちり目が合ってしまった。やばい気付かれたかな…私が変質者だと思われたらどうしよう…やばい…やっちまったぜ!
「なああのマネージャー可愛くねー?」
「二年だろ?」
私と同じようにリコちゃんを見る一年男子達。ふざけるな!リコちゃんをそんなけがれた目で見るんじゃない!ばか!
と思っていたら日向くんがド突きながら否定した。なにあれ痛そう…。
「男子バスケ部カントク、相田リコです。よろしく!」
「「「ええー!!?」」」
「じゃああっちの人は…」
「ありゃ顧問の武田センセだ、見てるダケ!」
そりゃなにも知らなかったらこうなるよなあ。
ちら、と黒子くんの方を盗み見てみると彼も少なからず驚いているようで目を少し見開いていた。火神くんのほうを見てみると心底どうでもよさそうな表情、この頃のかがみん可愛くない!
ぷい、と顔を反らすとその先にはリコちゃん…いやもしほんとにこんな呼び方してしまわないようにちゃんとリコ先輩と呼ぼう。リコ先輩がしたり顔で「シャツを脱げ!!」と言った。くっ黒子くんの裸…!はあはあ。念の為に言っておくけど私は変態ではない。決して。
上半身を見て次々に指摘していくリコ先輩。それにも新入生たちは驚きを隠せないようだ、当たり前か!
いやあ…かがみん凛々しいわあ…お姉さんびっくりだわあ…。まあ黒子くんのほうが可愛いしかっこいいけどね!?って私は誰に弁解してるんだ…。
とか思っていると案の定黒子くんは飛ばされていた。ああ…可哀想に…。
「今日は休みみたいね、いーよじゃあ練習始めよう!」
「あの…スミマセン、黒子はボクです」
目の前で黒子はボクです宣言!!宣言ではないか、生で聞けた…私はもう満足だ…。
みんなは黒子くんの影の薄さと帝光中学でスタメンだったことに驚きを隠せないようだ。なんにも知らなかったらこうなるんだろうなー知ってる私勝ち組!うふふ。
その後やっと練習が開始した、はじめはロードワークに行くようだ。この間にスポドリとかタオルとか用意しなきゃいけないなーと思ってリコ先輩に話しかけに行こうと思ったらすぐそばにリコ先輩がいてすごくびっくりした。気抜くとこうなんだよなあ…カズ兄はすごい。
「ねえ、佳奈ちゃんって何か“目”、もってる?」
「へ…?」
なぜばれた、リコちゃん恐るべし。
「みんな黒子くんに驚いてたのに佳奈ちゃんだけ普通だったから、もしかしてと思ったんだけど…」
ここで言ったらカズ兄の能力もばらすようなもんだからなあ…。それは避けた方がいい。原作に忠実に、それがトリップ夢の掟でしょう!
「なに言ってるんですかー!目ならちゃんとついてますよお!それでリコせんぱ…監督、私はなにをすればいいですか?」
「えっ…あ、ああごめんなさい、それもそうね。じゃあ部室案内するから仕事、全部覚えてね!」
「了解です!中学のときもやってましたから任せてください!」
ちょっとあからさますぎたかなーってのとうそついちゃったなーってのが頭の中をぐるぐるまわる。秀徳戦の後怒られちゃうかも、まあその時その時で。うん。
トリップも楽じゃないねーなんて色々考えてた私に佳奈ちゃん、と声をかけてくるリコ先輩。
「私のことは監督じゃなくてリコって呼んでほしいな、」
「!ははははいっよろこんで!」
やばいどもりすぎたてへぺろ。
(やっぱりリコ先輩は天使やで…)
20121207