日常に生きる半透明少女

□これが私の日常だったはず
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私の日常は他の人と比べてもなんら遜色ない、普通で平凡で平和なものだった。

朝起きて準備して、仕事に行くお父さんと一緒にお母さんに見送られて家をでる。ちなみにどうでもいいがうちは朝はパンだ、ほんとにどうでもいい。
それからいつも今から隕石落ちてこないかなーなんて馬鹿なことを考えながら学校へ行く。学校では勉強したり仲のいい子たちと話したり。放課後は中学にしては珍しい漫画研究部、となんとも怪しい部活に行ってオタクの会話に花を咲かせる。
帰ったらお母さんのお手伝いをしながらお父さんの帰りを待ち家族全員で晩御飯を食べる。その後はお風呂入ったりテレビをみたりPCでネットサーフィンしたり宿題したり漫画読んだりして日をまたいだ頃に布団に入り、また次の朝目覚める。

自分で思い返してもほんと普通の女子中学生だなーなんて他人事のように思えるくらいだ。いきなりなに言いだしてんだこいつとか思うかもしれないけどもう少し私の戯言につきあってほしい、というかつきあってくださいお願いします(切実)。

次の日の朝、いつも通りぐーすか寝ている私の部屋をノックしながら「佳奈ちゃんランニング行こうぜー」というカズ兄に起こされてジャージに着替えると一緒にランニングして近くのバスケコートで1on1、といっても私とカズ兄では勝負にすらならないって感じなんだけども。
家につくとシャワーを浴び、それから準備をしてカズ兄と一緒に学校へ行く。普通に友達と話したり授業を受けたあとはバスケ部でのマネージャーの仕事をこなし、カズ兄と一緒に家へ帰る。家に帰ると晩御飯の用意は出来ているのでお母さん、お父さん、カズ兄と一緒に食べる。その後はテレビをみたりお風呂に入ったりしてカズ兄と一緒に宿題をしたりバスケの試合のビデオを見たりする。そこまでするともうくたくたなのでそのままベットに潜り込み眠りに落ちる。
と、その時ふと思った。


あれ、私なんでこの世界になじんでんの。
なんで私普通にここで生活しちゃってんの。
あれ。

もしかして:トリップ

いやないない。ないわー。うん。



「…あの、高尾くん」

「え、急にどうした佳奈ちゃん…佳奈ちゃんも高尾だぜ…」

「えっあっはいすみません」



もしかして:トリップ
(しかも高尾の妹というオプション付き)


どういうことなの。

思わず頭を抱えた私を「えっ佳奈ちゃんどうしたの?頭痛い?」と本気で労わってくれる高尾く…カズ兄。申し訳ない。
高尾くんよりカズ兄って呼んだほうがしっくりするとか私の頭どうなってるんですかね、アチャー痛い痛い。



(ぶっちゃけ言うと私は黄瀬くんにサインを迫る女子とかの役でよかったんですけども)




20121207

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