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□オシオキ※
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「もう、何?」

意地悪く、楽しげに巌徒が分かりきったことを問う。首で背後の巌徒を振り仰ぐ。分かっているくせに、とは言葉にならなかった。息を詰めた巌徒が御剣の腰を強くつかみ、激しい律動を再開させたからだ。

「そのカオは、ダメだって・・・・・・」

背後で不満げに零れる音を脳が理解する前に、揺さぶられる。巌徒の不満を表すかのようにベッドのスプリングがギシギシと声高に鳴る。やっと訪れた激しい抽挿に、胎内が歓喜に震える。焦らすだけ焦らされた内壁が巌徒に離すまいと絡みつく。的確に外されていた前立腺をゴリゴリと擦るように穿たれれば、開放を望む熱が臨界点に到達するのは容易い。動くことさえままならないほど疲れきったはずの体躯が、巌徒の動きに合わせて激しく揺れ動く。

「ッ、あぁっ、んっ・・・・・・ッ」

ガツガツと獣のように背後から犯される感覚に、抗議を上げることもできずにシーツに沈む。巌徒の支える腰だけが御剣の体躯を支えていた。常とは違い縋り付く相手がいないため、強く握り込んだシーツが放物線状に皺を作る。深く受け入れようと大腿が開き、足の指が丸まる。

「っあぁ、ッひやぁ、ああっんぅ・・・・・・ッ」

限界など通り越した強い快楽に体が支配される。意味の成さない嬌声とベッドの軋む音。胎内を穿つ灼熱と、叩かれた臀部が発する熱。腰を掴む力強い腕と沈む体躯。ドクドクと全身を脈打つ鼓動と獣じみた荒い呼気。言葉を交わさずに体躯を交わして、緩んだ思考に目の前が霞む。
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