やさしいてのひら
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「なんですか、これ」
目の前に出されたのは
何やら不思議な模様の果実
「悪魔の実だ。能力は、まぁ食べてみればわかるだろ」
特に尊敬もしていない上司
面白そうだから、その悪魔の実というものを食べてみる
「う、・・・ッ」
まずい、正直とてもまずい
食べられたものじゃない
「っ・・・!」
感じたことのない感覚を覚え、ふと自分の体を見下ろす。
みるみるうちに変わっていく自分の身体。
伝説に出てくるような、現実では見たことのないような
――動物系 幻獣種
希少価値がとても高いその実の中でも最も貴重な種
「さて、食べ終わったところで一つ任務を任せたい」
「これを食べさせるなんて、よっぽど重要な任務なんですね」
「あぁ、・・・とても、ね」
人間の姿に戻れば、一つの錠剤を手渡される。
「これは?」
「この薬は一種の睡眠剤だ。次にお前が目を覚ました時、この組織についての記憶がなくなっているだろう」
「・・・、それでは任務が遂行出来ないのでは?」
「案ずるな、裏は私たちが隠れた場所で手引きをしていく。記憶もその時が来れば思い出すようにしてある。お前はただ一人の首を取るため潜入すればいいのだ。」
「・・・・・・、了解しました、マスター」
手の上にある錠剤を口に含み一気に喉の奥へと流し込む。
そこで意識が途切れた
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