RED LOVER .

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ある島に俺はいたはずだった。
前日は珍しく夜遅くまで起きていて、朝になって眠くなったから部屋で寝ていたはずだった。

夢か現実か。
判断できないほど、曖昧にしか覚えていないが・・・

白く光る、ゲートのようなものに触れた気がする。
寝起きだったのか、ぼんやりとしか覚えていない。

変わったことと言えば、それくらいだ。
おそらくその光のせいでこの世界に来たんだろう。

ただ、なんであの光が現れたのかは分からない。
船員以外は船の中にまで簡単には入って来れねェだろうし。

キラーが見逃すわけがねェ。


だとしたら、あれはなんだったんだ・・・?
なんか理由があるはずだ・・・
何か、俺がこの世界に来た理由が・・・


「聞いてる?」

「!・・・あ、あぁ・・・」

「絶対聞いてないよね。夕飯、何が食べたいですかユースタスさん」

「は・・・?」

「夕飯の買い物行ってこなきゃなんないから」

「・・・肉」

「ざっくりしてるね。他には?」

「・・・なんでもいい」

「分かった。じゃあちょっと待っててね。近くだからすぐ戻ってくるから」


そう言って、女は部屋からいなくなった。
再び静かになる部屋の中。

立ち上がり窓の外を見ても海の欠片すら見えない。
見たことのない島。
さっき俺がいたはずの島の風景なんかどこにもなかった。

あの島のログが溜まるまで。
そのはずだったのに、まさかこんなとこに来るなんてな。

それにしてもあの女。
最初こそ殺そうかと思っていたが、気付けばそんな気はなくなっていた。


俺が帰れないと分かったのか、女は俺に飯を食わせてくれるらしい。
好意に甘え、そうさせてもらおう。


「・・・・・・・・・」


まだ日が沈むまで時間がある。
太陽が、部屋の中を照らしていた。


















「ユースタスさん?いますかー?」

「いるいる」

「よかった、帰ってたらこんなに食べれなかったから」

「・・・・・・・・・」


女の両手に抱えられていたのは大きな袋二つ。
・・・そんなに金あったのか?
こんなところに住んでんのに。


「どうかした?」

「いや・・・」




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