守り星
□06
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「ザーン。」
自室で読書を邪魔されたザンザスは、不機嫌そうに返事をする。
「何のようだ、ジーナ。」
その声や顔に怯えることなく、ジーナはいつものへらへら笑いを崩さない。
「酷いな、ザンは。せっかく、キアが欲しがっている物の情報が手に入ったのに。」
それに、ザンザスの顔が一気に明るくなった。
怪我をしたキアに、見舞いを兼ねた詫びの品に何を贈るか悩んでいたのだ。
「本当か!?」
「あったり前!私の情報を疑うの?」
ザンザスは急いで首を振り、ジーナの言葉を否定する。
ジーナの情報は正確なことで、有名だ。
麻薬がらみの大きなことから、女装癖などの小さなことまで。
ボンゴレ内で彼女に脅せない人間は数名しかいない。
いったいどこからその情報を仕入れてくるのか、ボンゴレの七不思議と言われているぐらいだった。
「で、何だ?その品は。」
ザンザスのキラキラした顔に、ジーナも上機嫌になる。
「ザンザス達が行った、雑貨屋にあるらしいよ。私ならどれか分かるって教えてくれなかったけど、一点ものだったらしいから、早目に行くことをお勧めするわ。」
「ああ。ジーナ、礼はまた今度する!ありがとな。」
「行ってらっしゃい。」
部屋から駆け出していくザンザスを、ジーナは笑顔で見送った。