守り星
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「ありがとうございました。」
頼まれたケーキを受け取り、外に出るとどこかそわそわしているザンザスがいた。
「ザンザス、ケーキを受け取ってきたよ。」
そう言うとザンザスは嬉々とした様子でキアの手を掴み、あるきだした。
「急がなくても、店はなくならないよ?」
そう言っても、ザンザスは立ち止まらない。よっぽど行きたいのだろう。
そして、着いたのは職人の手作りのおもちゃなどを売って雑貨屋だった。
ザンザスは嬉しそうに店内に足を踏み入れた。
キアも店内に足を踏み入れた。
店には木で作られたおもちゃ、色とりどりのガラス玉、熊のぬいぐるみといった子供が喜びそうなものがところ狭しと並んでいる。
「あ・・・」
キアの目に止まったのは、銀の板に硝子で出来た黒猫が嵌め込まれた耳飾りだった。目の部分に赤い硝子玉が嵌め込まれていた。
思わずザンザスを連想したのは許されると思う。
(後で買おう。)
どんな顔で受けとるか非常に楽しみだ。
そう思いながら、先に入ったザンザスを探し初める。
「ザンザスー?」
名を呼びながら、探した。
が、決して広くない店内にザンザスの姿はなかった。