セカコイ リクエスト小説

□執着系上司
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長谷川さんの体温が
つたわる。


今、俺たちは入り口付近ではあるが若干隔離された小部屋で飲んでいるので
あからさまに覗き込まない限り
存在がばれない。

でも、俺は高野さんに気づいてほしくて

気づかないでほしくて


あれ どっちだ。






しばらくして、高野さんと作家さんが
楽しそうに笑いあうのが聞こえた。





「はは、もしかして作家とも寝てるのかな
高野って

だとしたら公私混同だよね
社会人としてどうなん…ああ、ごめん
小野寺君はこういうのきらいだっけ」



「あ いえ、きらいっていうか」

なんていうか。


まだ、笑い声が聞こえる。





なんだよ。俺


高野さんは俺のこと考えてないのに
一人で高野さんのことばっか



バカみたいだ。








「すみません、酔ったので水もらいますね」




これは言い訳というより本当だった。
変に甘いカクテルて意外とアルコール強いんだよな。

しかし、手をあげても あげても こない。


数人で店を経営してるらしい

まいったな。








「ちょっとでますね」





「あ 小野寺君」










長谷川さんの静止声。

なんでだ?

と同時俺は叫びそうになった。







『なんかのどかわいちゃいましたー』


『じゃあ俺がとってきますね』





そんな会話が繰り広げられていたともしらず。

互いに同時に個室から出てしまったらしい

狭い廊下。













俺と高野さんは

バッタリ という効果音が上にでてもいいくらい


出会ってしまった。








「……」



「……」
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