セカコイ リクエスト小説

□友情と同情の行く先
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それから仲を深めるのは
驚くぐらいはやかった。


今では家に普通に出入りする仲
いやどうなんだよと思うが





高野は誰でもいいのだ。


それに 胸が痛む 

けれど助かるのは
人間関係以外は高野は俺よりまじめ ということだった。

だって部屋片付いてるし
なんだかんだ単位とってるし
レポートだって 最優秀賞とるぐらい
まじめに書いたんだから
将来も考えているし。


ああ なんて効率がいい生き方なんだろう
俺は知る度ますます高野に惹かれていた。




それが

人として だけではないことに気づいてしまったのが



たぶん俺の

一番の過ち









漆黒の髪から大粒の雫を垂らして
拭きもしないまま上半身裸で
黒革のソファーに、高野は横たわっていた。


本を読みにきた

という口実だったけど

目のやり場に困るからとっとと着替えてほしい…。

それにしても高野は放心している。


時々こうなるんだ。人がいるというのに


どこか遠くを…。



「おい、政宗風邪ひくぞ」


俺がそう呼びかけても 政宗は あーと
声をもらして
顔を隠すだけだった。

仕方ないから服を持ってって着せてやろうとする





「…お前は母親か」


「…かもな」

「…」




カーテンがひどく重い
窓から差し込む光を遮っている。


そんな中で
たった一人で お前は何を考えて生きているんだろう。



知りたい





知りたい


そして それを知って








愛してあげたい






















同情だったのかもしれない。
それでも何もしない日々が続いていた。

そしてそれはこれからも

そうであるべきだったのに
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