セカコイ リクエスト小説

□編集長の好きな子
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そんな申し訳なさそうに言うことでもないだろう


おまえが箱入り息子で
御曹司なことぐらい





こちらは知っている



向こうの親と




いつかは決着つけなきゃいけないことも。



「…って」


集中力が抜けたせいか、原稿確認の際に指を切ってしまい
遅れて血がにじんだ
とりあえず原稿についてないかを確認し
あとはどうでもいいと乱暴に血をぬぐう。

小さいくせに ひりひりと痛い傷って
けっこうやっかいだよな





まるでこころみたいで

誰にも気づいてもらえない。




そんなガキくさいことにふけっていると
なにやら裏がありそうな声がエメ編にかかった




「おーい高野いるかー?」

それを聞いて木佐はほっとしていた
エメ編全体だったら休日がつぶれるようなとんでも計画言い渡される可能性があるからだろう。

他人の不幸だと思いやがって。

笑顔が美濃とは別の意味でこわい
実力者

見慣れた長身に俺は素早く立ち上がって近づく

「井坂さん お久しぶりです」

「おーいたいた 久しぶり久しぶり

っでさあ、今から小野寺出版のパーティ出れたりしない?
招待されちゃってさー
ゴルフ仲間でよく会うし
挨拶して出版関連で輪ひろげとくのも悪くないしな

高野も、七光りがどうしってっか気になるんじゃねーの?」

「…!」

図星をつかれハッとしたが
俺はなるべくすぐに いいですよ すぐに準備しますと返した





自然に切り返せていただろうか

いつまでもニコニコしている井坂さんが異様に恐い。


井坂さんに弱み見せるべからず






(絶対おもしろいようにされるから)
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