セカコイ リクエスト小説

□small love
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「服も一緒に縮んでるんだな」

帰路を歩きながら高野は
律が入ってる自分の胸ポケットをつついて
遊んでいた。

それがいちいちこしょばい。

「やめてください 高野さん」

「ははは おもしれー」

こっちは何時戻れるのか不安だというのに
木佐同様面白がっている
高野はとうとう
ポケットの中に手を入れて律の頭を
さわさわと撫ではじめた

「〜っ」

だから律は仕返しにと 高野の指をガジガジと噛んだ。


「いって!」

と声をあげる高野。


「ふんだ いやだったらはやく
俺を おれの 部屋に帰すだけ帰して
高野さんは隣の部屋にお帰りください。
別に俺が危険な目にあってたって
一人でなんとかできますもん

高野さんは横澤さんと居ればいーじゃないですかー
高野さんのばかばか」

ひたすら悪口を述べると
なぜだろう
高野はかまれた指を見て
ほんのり頬を赤くしている。

この人 エムなんだろうか。

「…やべぇ…ヤりたい…」

そして穏やかじゃない一言


「やめてください」

「たしかに今は無理かもしれないけど
ほら
妙なプレイなら出来るかも…。

そうだ お前その体じゃ風呂入れないからな

入れてやるよ…

服も俺好みにそろえて…」


たぶん 近くだからだろう。

呼吸が荒く感じるのは。

そう信じたい。



ということで やっぱり連れ込まれた高野の部屋の机の上で

(普通に聞いたら行儀がわるいが
自分と同じくらいの高さのコップにテンションが律にとっては気にするところではなかった)

律はちょこんと座っていた。

「律! 服かりてきたぞ 着替えろ」

「女物じゃないですか!」

「仕方ないだろ 女の人形しかないんだから」

どうしても高野の趣味としか思えない律は頬をふくらましたが
高野はそれを見て指でつついてくる。

「いい加減にしてください! 絶対着ませんから」

「お前そのサイズで本読んでみる?」

「あ それ面白そうですね!
自分よりでかい本なんてっ…
読みたいです」

「じゃあ交渉成立ということで」

にやりと笑った高野。

可哀想なことに
その人形はあっさりと服をとられ
床に投げられてしまった。

 服は花柄のひらひらとしたワンピース

清純派だ。

「へえ 意外と人形の服ってしっかりしてるんですね」

小さくなってみるといろいろと気づかされて面白い。
律はぴょんぴょんと跳ねてはしゃいだ。

「はあはあ」

そして高野は必死にカメラを向けているが
律はやっぱり気づかない。


(この姿だったら
食料にも困らないんだろうなあ
いいなあ。

あ ! でも仕事できない!
戻りたい!

高野さんと…居る言い訳ができて
確かに幸せだけど

やっぱり…)


「俺 なんでこうなったんでしょう」

本をよんでしばらくした後
律はぼそりと呟いた。

「…律?」

律の様子が暗くなったのに気づいたんだろう
高野は低い声音で落ち着かせるように聞いてくる。

「俺こんなんじゃ
元にもどらなかったら

高野さんだって男ですもん。

…エロいことできない俺に興味なくしますよ。

横澤さんとかエリカさんとかのとこ
いっちゃいますよ

たぶん きっと」


手で
ふわり と優しく持ち上げられる



高野は笑っていた

優しく

優しく。


「大丈夫

俺はお前がどうなっても
一生大好きだよ。


当たり前だろ

ってかなんで 横澤とか漫画家の名前がでてくんの。


お前 あれだろ
俺がすこしでもほかのヤツと話してると
すぐ不安になって むっとして勘違いしてるんだろ。

俺はそんなお前見る度に
すっげぇ幸せになるけど それらは全部余計な心配なんだよ。
だから一人で落ち込むなよ。
木佐とも飲むなよ

まったく

お前はしょうがないな

安心しろ きっと戻るし
愛してるから」

そういって律に触れるようなキス





そして

そのとたん




「おわっ」

「!?」


ぼわんっとはずみ

どささっと

律は高野に覆いかぶさるように倒れた。

「 あ  戻ってる!
戻ってますよ! 高野さん!」

そもそもなんで小さくなったのかが疑問だが
そんなことはどうでもいい!
律は歓喜に満ち溢れ
高野の手をぶんぶんと振った。


「ああ…服も一緒にでかくなったな」


しかし高野は律が
でかくなったことよりも…。



この状況にニヤニヤしていた。

そう

律は高野の上に乗っているというだけではなく
ワンピース姿だったのだ。




「…」


「… ま じゃあとりあえず


ヤるか!!」

「いやだああああああ!!」





連れ込まれた寝室

戻ってよかったけど
なんでこのタイミングかな!?


もちろん泣いても許してもらえず
律は一晩を共にするハメになったというわけで。



(でも 本当の気持ち

いえてよかったな)
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