セカコイ イメージ曲ss

□明日、僕は君に会いに行く
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先輩の顔を以前より近くで見られるようになった。

そのしぐさも
綺麗な髪も
伏せている目も



だから分かるようになったことも増えた

先輩は 何か悩んでいる。

「俺じゃ頼りないよなあ」

付き合ってるのに


付き合ってるっていうのかな。

俺は一人でとぼとぼ帰る。




ああ 明日は先輩にどういって話しかけよう先輩が探してた本
この雑誌になら乗ってるかな

最近本屋に居ても授業中も
全部先輩でいっぱいなんだ
雑誌買って 明日
もって行こう

なんでかって

決まってる

先輩が 少しでも喜んでくれるかもしれないから。



俺の気持ちちゃんと伝わってるかなあ
好きになってくれなくていいから


だから

せめて





でも

そう思って先輩に会った次の日

俺は思い切り拒絶されてしまった



「はあ…」



本音を言ってくれたのは嬉しい

けれど

相談

してほしかったなあ

なんで
一人で抱えようとするんだろう


先輩 先輩 


俺じゃ だめですか。




俺じゃ


そんなことを思い家に帰ったあと
パラパラと急に雨が降ってきた
そういえばあやしい雲をしていたけど
天気予報で言われてなかった気がする







先輩は傘をもってないんじゃないか?




そんな思いが過ぎって
俺は透明な傘を手にとった。


「はぁっ…」



もしかしたら 傘をもってて

とっくに帰ってるかもしれない




俺が傘をもってっても
気持ち悪がって受け取らないかもしれない


そして

先輩のことだ

いくらでもモテるだろうから
女の子と相合傘で帰ってるかも


そして俺は

それを見ることになるかも


しれないのに






(先輩が濡れて一人で帰るよりは

マシじゃないか)



ザアア…




結果的に
先輩は傘を持っていなくて渡せたからよかった

けど





まさか手を握られるとは思ってなかった…!!!


(え!? え!? なんで!?!?)

まるでアイドルに手を握られたようだけど
洗えないと
思ってしまっている自分が居る
でも無常な雨は
そんなぬくもりも洗い流していってしまって。


「先輩…なんで」



明日
普通な顔して会えるだろうか。


心臓が破裂してしまいそうで

この頃の俺はまだ気づいちゃいなかった

まさか


本格的に体の関係をもったり
付き合ったり
デートしたりすることになるなんて




だって

この頃の俺といったら

先輩が目の前にいるだけで
奇跡だったんだから










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