セカコイ リクエスト小説

□お願い 触れて 帰ってきて
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作家さんとの連絡を終え、一息つく。
エメ編での仕事も長くなりひとりで対応できるようになったものの
染み付いた対処法は高野さんのもので
皆そうなのかもしれないけど
気に食わないし歯がゆいなと俺は今日も眠気ざましに休憩室でコーヒーをすすっていた。


こんなんじゃあの人を追い越すのはいつになるのやら。


「お いたいた」


なーんて思っていると
聞きなれたくなかった低音が俺の元へ響いた。


…低音といえど仕事時と若干トーンがちがう
さてはプライベートの内容をふろうとしてるな?

しかし高野さんが言ったのは
仕事でもあり
プライベートでもある話だった。







「俺、明日、明後日と羽鳥と出張だから







さびしかったら電話どーぞ」





おい。 なんでそうなる。







「べつに! 隣人が二日帰ってこないくらいなんだっていうんですか?」



俺がコーヒーのカンをなげるモーションをとると
高野さんはなんだ可愛くねーと背を向けていった

どうやら会議室に向かう最中だったらしい。


くだらない



急ぎの用をぬって
何どうでもいい報告をしてきてるんだか。













でも






たった二日といえど





何も知らされてなかったら




俺は心配で不安で隣から帰宅の音が聞こえないのを引きずって仕事に支障をきたしたかもしれない。











なんだ



高野さんのわがままに見えて結局は俺のフォローなんだよな。


フォローされなきゃ生きてけない人間。





未熟すぎる。







俺はだからこそ仕事にとりかからなくちゃな、と休憩を足早に切り上げて











エメ編へ向かった。
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