セカコイ リクエスト小説

□ハツコイデイズ
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急に、目がさめた。




風流も無視して金切り声をあげる蝉を
なぜだかいつ死ぬんだろうと思いながら
寝すぎのせいか
痛くなった頭を抱えて律は起き上がった。

相変わらず汚い部屋


この前上司兼隣人に手伝ってもらって片付けたというのに

なんで汚れるんだろうかと思いつつ
カラになった空き缶をそこらへんに放り投げる

あとでやる

あとでやる

それより今日 急がなくてはならない。






律は覚悟を決めていた。

おととい、杏の両親と話をつけてきたのだ
結婚の件はできないと
すると返された一言


『絶対に 杏をふってまで選んだ人と幸せになりなさい

それが君にできる私たちへの報いだ』


それに律は土下座せんばかりに頭をさげた


なんて 恵まれているんだろう 俺は。

横澤さんも

杏ちゃんも

すごく根が良い人だった


恋愛の後押しをしてくれた。

迷っていてはもう 失礼な域だ。

だから覚悟をした

高野と寄り添い 幸せになる覚悟を。




改めて

今日告白するのだ。







うずうずする はじめて自分から

買い物にいきませんか

と誘った。

可愛くない理由。家具が足りないんですよなんて

でも帰りに言うんだ


高野さんは俺のことすきですか


俺は 高野さんのことがすきです








8月7日





律はそうやって意気揚々と扉をあける。
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