セカコイ リクエスト小説

□壁一枚向こう側の君
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ジリリリリリリリリリ










鳴り響く新しく買った目覚まし時計。

とめる場所に朝から悪戦苦闘した


今日は久々の休日だった。



でも


「買いにいかなきゃなあ」



用事があるから たるい。

いや

買いに行くのは午後でいいだろう。
どうせヨドバ○カメラなんて
何時でもやってそうだし…


「あーあの機械の密集地通るのいやだなあ」



俺はそう一人つぶやいて
両手をあげ 大きく伸びをした。



そう

俺は隠れ機械音痴である。




けれど

コピーの使い方

インターネットの基本的な使い方

仕事に支障がでないくらいの機械類は
徹底的に学生時代に頭にたたき込んでおいた。

同じゼミの奴らに馬鹿にされたくないし
必要な技術だからだ。
だけど一筋縄ではいかなかった。

研究や製図をするときに
パソコンをつかって計算するのに本当はどれだけ家で練習したか(俺がすこし練習したいと言えば専門の人を5 6人雇った
父はやはり金銭感覚がおかしい)


とまあ そんな陰なる努力のおかげで
俺が今まで機械類にあからさまに困ったことはなかったんだけど…。



「まいったな…」

俺は今まさに困っていた。

いつも通り電化製品なんて


適当に買って
インターネットにつなぐのも業者のひとに頼もうと思っていたのに

友達から笑顔で



「スペックがいいの買ってくれ」



と言われてしまったのだ。

いや。ぶっちゃけさ


「スペックって何だ…?」

スペックが何かもわからないのに
それが良いのなんてわかる訳がない。

そうだインターネットで
そのスペックって意味を調べれば…

いや インターネットないんだった。
どうしよう

俺は一人悩む。

すると


ガチャっバタバタ…

隣では高野さんが帰ってきたのか
かすかに物音がした。

昨日は仕事で終電を逃していたから朝帰りになったのだろう。


きっと疲れているに違いない

それに朝帰りだから
誰かと居る可能性だって。


そこまで思って



俺は目を閉じ荒れたベッドに倒れこんだ。
微妙に押し返すマットレスの力

「はー」


ため息をつく俺が

今落ち込んでいるのはスペックの意味がわからないのもあるけれど
そこらへんのカップルみたいに
ちょっとやそっとの用件で会いにいけない

隣同士なのに遠い距離についてなのかもしれない。


「………先輩…」






別れずに付き合っていれば今頃
同居して些細なことでも話し合えていただろうか。

いや あっちが飽きて別れていたかも

まあ どちらにしろ






「スペックってなんだ…

スペースって言い間違えたのかな
スペースの良いパソコン

小型…? ノートパソコンだったらなんでもいいいの…?」





「スペックは個々の機械が備えてる性能のことだ つまり良いスペックは高性能ということだ」


「へえ〜  って



高野さん!!?」



ベッドの前
いつのまにか高野さんが立っていた。








俺の今日着ようと思っていた
服の上に。
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