セカコイ 短編

□こんな世界一初恋はいやだA
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(腐男子の場合 〜小野寺律〜)


仕事のない休日
趣味に没頭しようと
購入したBL本を片手に俺は歩いていた。

あの本屋の店員の冷めた目。

もう慣れた俺は末期なんだろうか。

てかなんでBLって表紙があからさまかなあ。

女の子がレジやってるとセクハラになりそうで
少し待つ俺は紳士だと思う。

そんなことを思っていると


「りっちゃん?」



背後から可愛らしい声がかかった。


「うおおおわああああ!! すみません!


って


杏ちゃん?」

「うん。相手を確認せずに謝るなんて
りっちゃん何をしたの…」

杏ちゃんは可愛らしい服を着てる。

「いや 何もしてないよ


その服似合あうね」

俺のその発言に杏ちゃんは顔を真っ赤にさせた。

うん 可愛い。

高野さんより大分可愛い。


なのになんで俺は高野さんなんだろうか。
十年前に奪われた心は
そのまま
だ。

「り りっちゃん
それは何を持ってるの?」


杏ちゃんは恥ずかしさのあまり話題を変更させて俺の持ってるものについて聞いてきた。

ちょ! これは…




「し しごとの 材料だよ」

出版につとめてるし
あながちうそでもなさそうなうそをついた
俺に対して
杏ちゃんは何かみしてー
と言ってきた

くそぅ!

興味本位で行動する子だからなあ…

俺は一番表紙がまともな


高×横をだした

すると杏は小首をかしげ


「何かの図形の式?」

と聞いてきた。

そうか 高さ×横

と思ってるのか。

「(純粋だなあ) 杏ちゃん
攻めの反対は?」

「守り?」

「うん 君は永久にそういう子であってほしいよ。俺が守る」

「ええ!」

杏ちゃんはまた顔を真っ赤にさせた。
そろそろ高野さんが怒りそうなので
おいとまするとしよう。


そう思っていたら杏ちゃんも

せっかく会えたけどこれからパーティだから
と言って笑って去って行った。




「(それにしても 高さと横かあ

うんうん

じゃあ長さ ってのもあっていいような気がする



高×長

長×高


ん? 長…って感じが入るのは


長谷川さん…)」


俺は脳内で新たなターゲットを決め

いそいそと汚れた家へ帰るのだった。
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