セカコイ・アンケートss

□それでも愛さずにはいられない
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注意、基本シリアス
R18を入れてくので入れるときは冒頭に忠告いれます


















きらわないで




突如目覚める深夜2時

日記の最後にそう綴っては

俺はまた淫夢に堕ちていく





1




いつ
どんな時でもお兄ちゃんの背は遠く高く
後ろからみて惚れ惚れとするものがあった


髪の毛の色も俺みたいに薄い茶色じゃなくて
吸い込まれるように黒いんだ




勉強もスポーツも
なんでもできる



だから

ではないけど俺はお兄ちゃんが大好きだ。




でも



お兄ちゃんは俺のことが


大嫌いだ










「律ー?夕飯よ
ほら席について。お母さんと食べましょ」


みじかく切りそろえられた黒髪をなびかせ
母さんはいつもみたくご機嫌で
カボチャのにもの
ほうれん草のゴマ和え
雑穀ご飯
等々並べていく
うん美味しそう
美味しそうなんだけど


「お、おれお兄ちゃん帰ってきてからでいいかな」


今日はあまり水をのんでいないからか
母さんの前で
お兄ちゃんというだけで鼓動が高鳴り
喉がかれる。


もじもじとしておれが突っ立てると母の目元に影が落ちた。


「あのこの帰りなんて待ってたら寝る時間になっちゃうわよ律
べつにお母さんはいじわるで言ってるんじゃないのよお兄ちゃんが食卓を囲みたくないタイプなのよ


そう言われたら頷くしかあるまい


兄の話をしているときとは打って変わって律の学校の話になると
母は手をたたいて喜んだ

授業参観いくからね

手あげなさいよ

え?お兄ちゃん?あのこ授業参観あるなんて言わなかったじゃない


なんで言わないのかしら
いやね
これじゃ行ったって他人のフリされるだけだわ










カボチャが、なにか無機質な固形に感じる


ねえ母さん




お兄ちゃんは言ってたよ
授業参観あるって

廊下にいた俺にも聞こえる声で








でも母さんは掃除機をかけてて

聞いてなかったんじゃないか。





「りつ、あなたはもうボロボロこぼして
かわいいわねえ」


「あ、ごめんなさい」


「いいのいいの

男の子はそうでなくちゃ」









母さんのことは嫌いじゃない

父さんは帰ってこないけど嫌いじゃない


お兄ちゃんは大好き




なのになんでうまくいかないんだろう
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