過去拍手文2

□拍手文42
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「ふぅ」

周期終わり。
丸川でやっと落ち着ける個室で律は一息ついた。

でも個室つってもトイレとかじゃなくて
もっと上下に動く…
ほら、あの四角い…





まあエレベーターなんだけれども。

律は一階のボタンと閉めるボタンを同時に押した。

しかし

「俺も乗る」

高野が乗ってきた。








おかしい…
いま、やつは見えないほどずっと遠くにいたはず…


「お前…上司にむかってヤツって…」

「あ、すみません口に出してましたか」

「そんなに俺といたくないのかよお前
すねるぞ」

「どうぞ すねててください」


律がそういうと本当に高野は拗ねたのか
一階一階のボタンを押し始めた

「ちょっ 迷惑になるでしょーが
やめ…」






ろ。

最後まで言おうとしたが律の身体は浮き
不可能になった。


ガタンッ



という衝撃音と振動。


ん?

なんだろう この感じ

勢いよく階に止まったとかじゃなくて

いやな予感がする。

ふと、律は留学経験のころを思い出した

そういえばどこかのホテルでもこうなった






エレベーターが故障して…。




「やべーな なんか止まったみてえだぞ」


すると混乱する律を置いて高野がそう言い放った。


「ちょぉおお!? あんたがめちゃくちゃにボタンおすから!」


「はあ!? 関係ねえよ
そんなんでいちいち故障するか」



責任転換をしあった二人だったが

どうやら本当に故障らしく

二人がだまると一気に沈黙が襲ってきた。


「お前、携帯は?」



高野は腕をくんだまま聞いてくる。
なんで非常事態にえらそうなんだろこの人。



仕方なく律は携帯をみて
ため息をついた。


真っ暗な画面。


「だめです…高野さんは?」

すると高野もクビをふる。

「あー 俺のか   だめだな

うんこともすんことも言わない」

「言ってたまるか! もっと深刻に考えろ
このでかい小学生が!」

「なんだと!? 別にいいだろ

それよりせっかく個室なんだし イチャイチャしようぜ」


その発言にぞっとした

ちょ

まさかこの人。






律はじりじりと逃げる。

しかし まあ。

どうあがこうと個室なわけで。












「いただきます」



「ぎゃあああああだれかたすけてええええええええええええええ!!!!
相変わらずボタンはずすのはやいなあんた!」















大丈夫。 よくつかうエレベーターだから
明日には助けがくるさ
という高野の思考通り

翌朝には二人は発見され
総務の子がびびって心配してきていた。

それに高野と律は紳士的に対応し
二人で階段をのぼる(なんか事故のあとだとエレベーターがこわいので)

「じゃ、仕事もセック…もエレベーター内で終わらせたし

今日もがんばるぞ 律」

「会社では小野寺ってよんでください

てか携帯充電できなかったのは痛いですよね
どうしよう連絡とか」

「ああ、俺充電残りまくってるから大丈夫」


「…ゑ?    貴様ああああああ!!」


事故を期に仲が深まるなんてことはなく
律と高野はいつもどおり仕事に戻った。





しかし





「エレベーター内の監視カメラに
事故原因がのこってるかも」


「みようか」









いつもどおりですまない事件が




また
ここにひとつ。













end

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