セカコイ 長編

□小野寺律=りっちゃん!2
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二章・揺らぐ恋








もう書きたくない




大体、俺の作品よんでるやつなんかいるのか?




一発で大ヒットを出した作家と俺は違う

まるで数うったからあたったような
そんな感じ。


しかも何も知らない周りに

作家というと

ニートか といってくる。


印税で暮らしやがって

だって?


んだよ?

お前らに関係あんのかよ。


でも最近分からなくなってきた。

そいつらを否定してまで書き続ける情熱が
否定されつづけたせいでなくなってしまったんだ。




俺は、キーボードをうつ手をとめる。



もう やめよう








みじめだ







『好きです』





『あなたの書く作品に俺は救われてきました』


『すきです』




だれだ



お前は



『泣きました』





『あなたには才能があります』





だから やめてくれ


お前 俺の何を知ってる


『新作待ってます』








だから―…。







カタカタ…。




俺はまた、書き始める。
この世界の




たった一人のために。

俺の最初のファンのために。














お前のためだけに。
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