セカコイ イメージ曲ss

□お願いキスで目を醒まして
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偏見

偏見

偏見


分かってる いつだって俺の周りにはそればかりだ。
男しか好きになれない。女として生まれたかった? と聞かれてもそうは思わないのに
そういうやつらと一緒にされるのもむかつく。



ゲイってそんなに特殊かな

俺って変かな。

でもそういう悩みは夜の街に消えた



なんだ

同じような奴らなんてたくさんいる。

ゲイとかバイとか
その他もろもろ。


でも 俺はそいつらとも違うんだよな。

「木佐 好きだよ」

「翔太 おれのものになって」

「しょうた しょうた 」


ああ うるさい。

おまえら 名前よんでないで
さっさと動けよ。
下手だなあ セックス。
使えない 本当 使えない。

お前らの感情なんてどうでもいいんだよ。


だって俺は。

お前らと違う。

男とする えっちがすきなだけで


セックスしてる相手を好きになったこと


ないんだ。






「木佐さ〜ん!」

ああ。 今日もまぶしい 朝起きたら
髪をぬらしたままの犬

もとい 彼が俺を覗き込んでいた。
キラキラとした朝日を浴びて
余計にキラキラオーラが増している。

ていうか。

「ふ 服着てくれよ…」

俺は布団をかぶりなおして 雪名 から物理的に目をそらした。

朝から心臓に悪いんだよ
お前は。

ふと香る俺ん家のシャンプーの香りに
安心してしまう自分がうざい。

朝シャンあびるなら俺も起こしてくれればいいのに…。
俺だってシャワーあびたかった。
そう思いつつ

俺は久々に見た昔の夢を忘れに雪名に話しかけた

「お前今日大学は?」

「休みです!! 講座うまく取ったので
今日休みに設定できまして!」

「単位気をつけろよ」

俺は大人ぶって髪を掻きあげた


俺が大学のころは
教授そそのかして単位もらってたけど
お前はそんなことできないだろう?




でも

よかった

俺はいま幸せだ。


利益なしに 下心だけじゃない

恋なんて

一生 できないまま終わるんだと思ってた。

ただ年だけとって
そんな自分が怖かったんだ。


「木佐さん?」


何も知らずに首をかしげる雪名に俺はキスをおとした

そして そのキスは雪名によって深くされる。

ああ。 気づかなかったよ。

お前よかキスうまい相手なんてたっくさん居たのに
そのなかのどいつよりも
キスするのが緊張するのは
お前だけで…。


愛があるキスが こんなに気持ちいいものなんて

俺はこんなに生きてるのに

気づかなかったよ。





けれど俺の この
やっとつかんだ幸せも
あきらめなきゃいけないのかな。


嫌な予感がする。




季節の変わり目で互いに落ち着いてきたころだったか。







雪名と俺が歩いているだけで
後ろに見張られているような、そんな感じがしたんだ。

一瞬すばやく振り返ったら
電柱のかげ 隠れてみえたのはチェック柄のスカートだった。



「木佐さん?」

「いや なんでもない 気のせいだった」

俺はそっけなくそういいながら
確信した。


俺に女のストーカーがつくわけない
とすると
雪名狙いだ。

と。


別れれば 雪名が狙われずにすむなら

俺は大人だから引き下がらなきゃいけない

あとは若い子で
なんていってさ。



(いやだ)






そんな風に思う自分が 余計いやだった。


雪名


雪名。




世界で一番可愛がるのは止めてよ。


棘のような視線せまる。
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