★戦国
□輪廻
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正午を過ぎたくらいだったかな?病気になりそうなくらいに日輪が照りつける夏の日の戦。何故か嫌な予感がした。
真田の大将率いる武田軍は劣勢 。周りに群がる敵の雑魚兵を旦那と背中合わせになって斬りながら、次の手を大将と話していた。
「どうする?大将。自軍は不利。策も尽きたよ」
「俺が先陣をきる」
「大将、立場をわきまえろ。危険だ」
「だがもう行くしかないだろ」
重々しく呟きながら技で一気に敵を蹴散らした大将は、槍から吹き出す炎と斬りつけた敵の紅を纏いながら駆け出した。
そのままの勢いであんたは、逃げ出した重臣級の敵の後を追いかけて敵の城……憎悪で罪に囚われ禍々しく変貌を遂げた大阪城の門を潜って行ってしまった。
慌てて敵を殺して俺様も後を追う。俺様が門を潜るとあんたは敵を倒していた。
「何をしておる佐助ぇ!遅れをとるな!!!」
「はぁ…あんたが無闇に走りすぎなんだって」
ビュンッ
次の瞬間石田軍のカラクリ“天君”が大将にぶつかり、引き摺った。
「…え……旦、那?」
ギイイィィィィィ!!!
鳴き叫ぶような車輪の音。
反応できなかった。
カラクリが走った跡の地面に出来る朱の道。
飛び散る血飛沫の紅、旦那の瞳と同じソレ……見慣れているはずなのに思わずむせ返った。
「旦那…真田の旦那!!」
俺様は投げだされ倒れた旦那に駆け寄った。ピクリとも動かないきっと、全身の骨が折れている。
「嘘……だろ?」
すぐ近くから
『嘘ではなかろ』
って嘘みたいに嗤う声、城から響く憎しみの叫びを聞きながら俺様の世界は暗転した。