短編

□番外編
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理事長が、転生組に割り当てた部屋で本を読んで居たら、三郎が来て早々訳のわからん質問をしてきた。

三郎「九印先輩!どう見付けたんです!」

相変わらず、変な後輩だ。私が怪訝な顔をしていると今度はわかりやすく、

三郎「庄左ヱ門と彦四郎と勘右衛門。あの三人はどうやって見付けたんですか!」

と、聞いてきた。

玲「そんなに知りたいのー?」
三郎「気になるから聞いているんじゃないですか!」

正直な話、すごくわかりやすかった。だから、教えてあげるよ。私は、優しいからね。

玲「なら、教えてあげるわ。
一番最初に見付けたのは、勘よ。(苦笑)」



〜勘右衛門〜
最近朝の電車で、いつも同じ席に座る三人組の綺麗な女子大生を見かける。
いつも左側に座っている人は黒髪でくせっ毛の長い髪に物腰の柔らかい女の人、いつも右側に座っている人は明るい茶色の短髪に男性口調が印象的な女の人。
そして、いつも真ん中に座っている人。昔の俺がよく知っている人。腰の辺りまで延びた長髪を首の辺りで緩めにまとめたクセの無い銀髪、細い肩、うっすらと口角を上げて笑う口元。昔から変わらない。

――九印先輩。

全く…、やっと見つけましたよ?貴女は、俺のこと気付いているんですか?


最近いつも同じヤツが、私達の対面の席に座る。葵と纏は、気付いてないけど。
私達を舐める様に見つめる目。やっと見つけたという様な笑顔。
おいおい、マジかよ。(苦笑)
お前なのか?

――勘右衛門。


…私は、学園長……じゃねぇや、理事長にいきなり呼び出された。理事長室には、他にも見知った顔が居た。そして、あることを言い渡された。私は、昔のことを考えてある程度のことを色々予測していたからあまり驚かなかったけどね。

理事長「全委員会対抗後輩探し大会を行う!」

玲以外、唖然。
一拍置いて、

玲を除く一同「はいいいいいいいいい!?」

玲以外は、驚愕して開いた口がふさがらなかった様だ。

玲「アハハハハ!
……理事長、相変わらず思い付きでものを言うの止めません?(苦笑)」

元学級委員長委員会委員長として言わせてもらった。
そう言うと、こう返ってきた。

理事長「…昔の後輩達に、会いたくないのか?」
玲「ま、会いたいですけどね。(苦笑)」
理事長「という訳じゃ!
これより、後輩探し大会を始める!」

全員我に返り、悟った。

一同「(拒否権はなしか…。(苦笑))」

玲「理事長、ルールはあります?」
理事長「うむ。向こうから話し掛けにくる以外は、会話をしてはいかん!それだけじゃ!」
仙蔵「…簡単そうで、難しいことだな。」
文次郎「見付けても会話が禁止じゃな。」
玲「…賞品って出ます?」
留三郎「そこかよ!」
理事長「一番早く全員揃った委員会には出す!」
纏「うっし、乗った!」
小平太「私もだ!いけいけどんどーん!」

((ガチャ))
((バタン))
((ドタバタ))

留三郎「人の話くらい、最後まで聞いて行けよ…。(苦笑)」
伊作「まぁ、小平太だもん。(苦笑)」
玲「ま、面白そうなんで、私も参加でよろしくー。
じゃ、講義あるから行くわ。」
葵「バイバーイ。」
纏「じゃあなー。」

((ガチャ))
((バタン))

文次郎「……この時間って、葵と纏も講義じゃなかったか?」
葵・纏「あぁっ!」

((ガチャ))
((バタン))
((ドタバタ))

風のように去って行く二人。

長次「…相変わらず。(苦笑)」
仙蔵「だな。(苦笑)」
伊作「で、この大会は全員参加でいい?」
留三郎「おぅ。」
長次「…楽しみ。」
仙蔵「そうだな。」


大会開始から一週間後…。
玲「(また私の前か、お前は。…あぁ。今日は、対面の席空いてないのな。(苦笑))」

そんなことを考えながら、葵達の話を聞き流す。
いきなり、お前に話し掛けられるとは思ってもみなかったよ。(苦笑)

勘右衛門「もし、間違っていたらすいません。
九印先輩、じゃありませんか。(ニコッ」
玲「……人違いじゃない?私の知り合いに、そんなうどんみたいな髪したヤツは一人しか居ないはずだし、間違っても、こんなアホなナンパはしなかったはずだから。
ねっ、勘?(ニッコリ」
葵「えっ?」
勘右衛門「あっ、やっぱり気付いてました?(ニッ」
玲「私、一応アンタの先輩だしねぇ。あんだけ、ジーっと見つめられたら誰だって気付くと思うけど?(苦笑)」
纏「えっ、居たか?」
葵「んー、わかんない!」
玲「葵、纏。お前らなら、そう言うと思ったよ。(ニッ」
勘右衛門「僕は、先輩方だって気付いてましたよ?(ニコッ」
纏「マジかよ!」
玲「纏、五月蝿い。電車で騒ぐな。」
纏「おー。わりぃ。」

『次は、学園前ー。学園前ー。』

玲「さて、報告しに行きますか。」


大学

((ガチャ))

小平太「おっ!纏!早いなー!おはよう!」
仙蔵「また、玲に起こされたんだろう?葵。」
葵「大変大変たいへーん!」
纏「尾浜が見っかった!」
男子一同「はっ?」
葵「今、理事長のところに報告しに行っちゃったんだけど!」

((ガチャ))

玲「おー、盛大に驚いてるなー。愚民共!」
勘右衛門「相変わらず、口悪いなー。先輩は。(苦笑)」
一同「(コイツなら、なんかズルしてそうだ!)」
玲「テメーら、ズルしてそうとか考えただろ!そりゃまぁ、目星は付けてたけどよー!」
葵「えっ?そうだったの!?」
玲「当たり前じゃん。てか、あんな毎日のように私の目の前座ってただろ!?勘右衛門は!」
勘右衛門「まぁ、霧沢先輩と筧先輩ですし。(苦笑)」
纏「そこで、私も入るか!?」
葵「まぁ、いいやー。
それより、くっちゃんどこに居るか知らない?」
玲「勘、言わんでいいぞー。」
勘右衛門「だそうなんで、すいません。(苦笑)」
留三郎「……もしかして、玲!お前、啓の居場所も知ってて止めてるだろ。」
玲「もちろん。」
仙蔵「静もか!」
玲「あたぼーよ!」
葵「灰君は、……聞くまでもないよねー。」
玲「お前ら、私を誰だと思っているの?」

一同「悪魔!」

玲「勘、お前もか!」
勘右衛門「もちろんです。貴女を的確に表した言葉ですよー。」
玲「…別に、悪魔とかの血は引いてないんだけどなー。(苦笑)」
仙蔵「さて、話を元に戻すか。」
玲「はいな。」
仙蔵「尾浜から声を掛けたのは間違いないな?」
勘右衛門「はい。それに関しては、筧先輩や霧沢先輩もちゃんと見てくれていると思いますよ。(苦笑)」
玲「見てないとかふざけたことほざいたら、殴る。」
葵「武力行使とか酷いのー。」
纏「きっちりやり返す!」
玲「返り討ちにしてやんよ!」
勘右衛門「こんな会話してる時の先輩方は、見てる時ですよね。(苦笑)」
仙蔵「だな。」
勘右衛門「…昔から全然変わってないなー…。玲先輩は。」
仙蔵「一応、フリーだぞ。ヤツは。」
勘右衛門「俺には、高嶺の花ですよ。(苦笑)」
仙蔵「そうか。」
勘右衛門「えぇ。(苦笑)」
玲「さて、今日の二年生必修講義が消えてなくなったらしいから私は帰るつもりだけど、お前達はどうする?」
留三郎「マジかよ!」
伊作「ウソ!?あっ、でも、僕この後、医学部必修講義が…。」
玲「さすが、不運。まぁとりあえずは、いつも通りで。飲食物は、各自でヨロ。…ねぇ、勘。この後、予定ある?」
勘右衛門「ありませんけど、何かするんですか?」
玲「まぁ、うん。」
勘右衛門「じゃ、お供します。」
玲「ありがと。」



玲「勘の時は、こんな感じだったはずよ。(苦笑)」
三郎「変わらないんですねー。(苦笑)」
玲「庄ちゃんと彦はまた今度ねー。」

((ガチャ))
((バタン))

庄左ヱ門「何が、また今度なんです?」
彦四郎「もしかして…。また、何か悪巧みしてるんでしょう!」
勘右衛門「まぁ、玲先輩と三郎だしなぁ。(苦笑)」
玲「お前達、三人がどう見付かったかって話さ。(苦笑)
で、もう今日はめんどいから勘の話だけでおしまいにしただけよー?」
庄左ヱ門「あっ、なるほど。」
彦四郎「尾浜先輩の話、僕も聞きたかったなー。」
玲「勘右衛門のナンパ事件?(笑)」
勘右衛門「玲先輩と俺の再会が、ナンパ扱い!」
三郎「でも、玲先輩の初対面の私に対しても同じ感じだったはずですけど。」
玲「三郎、自意識過剰って言葉、知ってる?私は、ただ気付いただけよ。」
勘右衛門「自意識過剰って、田村とか平のこと?」
庄左ヱ門「あー、なるほど。ナルシストのことですか。」
玲「なんで、勘が答えるし。それプラス、仙蔵な。」
勘右衛門「さぁ?」
玲「まぁ、いいや。(苦笑)
さてさて、この後どうするー?」
勘右衛門「カラオケ行きたいなー…。」
玲「んじゃ、行くか?」
庄左ヱ門「僕達もですか?」
玲「うん。勘のナンパ事件話してあげる。」
彦四郎「やったー!」
三郎「なら、セットで一年生の話もお願いしまーす。」
玲「んー。」



おしまい。




あとがき。
頭に出来てたのと違う。
頭の内容を印刷出来たら、いいのにー…。
スランプ辛いー…。(´・ω・`)


おそまつ!

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