短編
□絵本『人柱アリス』
1ページ/2ページ
『あるところに、小さな夢がありました。誰が見たのかわからない、それは小さな夢でした。小さな夢は思いました。
このまま消えていくのは嫌だ。どうすれば、人に僕を見てもらえるだろう。小さな夢は考えて考えて、そしてついに思いつきました。
人間を自分の中に迷い込ませて、世界を作らせればいいと。』
図書室
((ガラガラ))
留三郎「長次、居るかー?」
((タッタッタッ))
伊作「留さん!六年生、みんな居ないんだけど!…留さん?」
留三郎「…。」
伊作「どうしたの?…絵本?」
留三郎「…読んでみないか?」
伊作「今じゃなくても…。」
((パラパラ))
((ピカッ))
留三郎・伊作「うわっ!」