大空に手を差し伸べし清冽なる蒼き女神の物語
昔、昔―。
超越者達の中で変わり者と呼ばれている、清冽な美を持つ少女がおりました。
眩い光と共に現れ、自らの生み出した世界を慈しみ、母のごとく見守り続けている慈悲深い女神です。
青みがかった銀髪を持つことから、蒼き女神と超越者達から呼ばれておりました。
とても美しい容貌を持つ彼女ですが、外見をおもいっきり裏切る豪胆で勇猛で漢前な性格の持ち主でもありました。
蒼き女神は、世界に住む全ての人達が、とっても大好き。
自らの居城から下界を見渡す普通の超越者とは違い、下界で人間と同じように生きることを好む彼女は、普段は人の世界で人間にまぎれて生活しておりました。
そんなある日のこと、心なき者の偽りによって傷ついている大空の少年をみて、彼女はとても心を痛めました。
蒼き女神は思いました。
偽りで苦しんでいる大空の少年を助けてやろうと。
そして持ち前の優しさから、その大空の少年に手を差し伸べたのです。
元より女神は、曲がった事が大嫌いでした。
時に真実という剣を手に偽りのベールを切り払い、時に偽りに惑わされた者達に厳しく接しながら正しき道を指し示す。
これは、男勝りで少し変わり者だけど心優しい蒼き女神と、そんな彼女に心惹かれた大空の少年と物語―。
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