人々が創造せし大空の物語

□大空の守り人達(本編)
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序章:新しき生へ





辺りに響く悲鳴と怒号。
燃え盛る炎に包まれたボンゴレ本部。


それを暗闇の空間から覗いていた初代は、ため息をつきながらその光景を見やった。


「自業自得とはいえ、憐れな・・・・・・・・。」


この結果を招きよせたのは、他でもないボンゴレ自身。


信じるべき者を切り捨て、安易な裏切りの道へ突き進んでいった結果。

偽りの正義感に酔いしれ、それを大義名分に人を傷つけ苦しめる背徳の快楽に酔いしれてしまった結果。



その結果、失ってはならぬ者を失ってしまい、彼らには罪だけが残された。

その罪に…己の犯してしまった過ちの深さに恐れおののき後悔しても、もはや後の祭り。


絶対に失ってはならぬ者を失ってしまった彼らは、もはややり直す事さえ出来なくなってしまっていたのだ。

だが、やり直しですら出来ぬほど誤った道を自ら選んで突き進んでしまったのは、他でもない彼ら自身。

ゆえに彼らが選び取った先に待ち構えていたこの滅びは、必然の結末だ。
けれど・・・・・・・。


「さすがに、このままではな。」


何より、己が愛し子があまりにも不憫でならない。
全てに裏切られ、絶望の中でその命を散らせたこの愛し子が。


かつて自分が作りだした組織は、失ってはならぬこの愛し子を失わせてしまったがために、この滅びの結末を招いてしまった。
この愛し子が生きてさえいれば、まだかろうじて・・・少なくてもこの結末だけはどうにかして回避する事が出来たというのに。


「やはり、全てをやり直すしかあるまい。」


全てをリセットし、もう一度はじめから。
生まれ来る世界を変え、彼らの犯した罪も過ちも全てなかった状態にまで戻し、もう一度やり直すのだ。

そして幸いにも初代は、それが出来る方法を持っていた。
その方法を使わない手はない。


「デーチモよ。今一度新しき生を歩むのだ。」


そう言って初代は、己の手の中にある小さな炎を見つめたのであった―。






    
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