過去拍手文
□DriveDatein渋滞
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「チッ、渋滞かよ」
「……」
朝っぱらからインターホンを乱暴に鳴らされ、無理やりドライブに付き合えと引っ張りだされて今の状況に至る
連休の初日ということでまんまと交通渋滞にハマってしまったとゆう始末
この連休は家事を早く済ましてたまっている本に没頭しようと思っていたのにその計画は隣の人に無惨にも崩された…
渋滞が少しずつ緩和して車の流れがよくなってきたが、俺達の前々車が先に行っても一向に前の車はのろのろ運転のままでスピードを上げなかった
「ったく、前の車、がら空きなのに全然進まねーじゃねぇか」
イライラしたような口調が聞こえる
この運転手の神経を逆撫ですることは辞めて欲しい…それは同乗する俺に全部降りかかってくるのだから!
俺は溜め息を吐きふと前の車に目をやると、カップルらしき2人組が見えた
するとそのカップルは人目も気にせず車内でキスをしていて驚いた
いちゃつきたいからって車の運転を厳かにするのは辞めて欲しい…
た、高野さんは気づいているのかな?そんな気持ちを振り払いたくて高野さんの方を向き話し掛ける
「と、隣りの車線開いたら前の車追い越して行きましょう!」
先程から四方塞がりでイライラを滲ませていた高野さんはそう言った俺に視線を向けると唖然とした様子だった
「高野さん?どうかしました?」
急に顎を掴まれ強引に唇にチュと口付けられた
「な!何するんですかいきなり!」
「お前何でそんな顔してんの?」
「はぁ?何訳わかんない事言ってんですか!…ま、前のカップルがしたからってこんなとこで…!!何考えてんですかあんた!」
「はぁ?てかキスしたのは真っ赤になってるお前に我慢できなくて仕方なく」
「なっ…!!」
「ほー、お前はカップルのキスシーン見て興奮して真っ赤になった訳だな」
「こ、興奮なんて!してません!!変なこと言わないで下さい!」
「26のくせに初々しい反応だな、それ以上に凄いことしてるくせに…」
ニヤついた高野さんが俺をからかうので、余計顔が恥ずかしさと怒りでぶわっと熱くなってしまう
「高野さん!運転に集中して下さいよ!事故ります!ほ、ほら前の車行っちゃいましたよ!!」
「ハイハイ」
アクセルを踏み俺はスピードを上げた
真っ赤になり怒鳴る小野寺を宥めながら、コイツを助手席に乗せて、渋滞の運転も悪くはないなと思い、やはり自分は重症なのだと自覚してしまう高野だった