過去拍手文

□妬きもちとどら焼きと
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昼休みに休憩室でコーヒーを飲んでたら木佐さんがやってきた

「りっちゃーん隣座っていい?俺もなんか飲もっと」

木佐さんは自販機で濃い玉露のお茶を買っていた
渋い…珍しいチョイスだ

「やっぱどら焼きにはこれだよね〜」

どら焼きと暖かい玉露を持って満面の笑みの木佐さんがいる

「木佐さんて本当どら焼き好きですね」

「うん、どら焼きに限らず甘い物に目がないんだよ!日々の疲れの癒やし…これ良かったらりっちゃん食べて!」

そう言うと高級どら焼きと書いてあるパッケージのそれを差し出した

「いいんですか?ありがとうございます…なんか前も貰っちゃったしすいません」

木佐さんはいーのいーの気にしないと、俺は貰ったばかりのどら焼きを食べようと袋を開いた
2人して休憩室でこのどら焼きは有名所の物なんですか?などと仲良く話してるとふと背後から暗雲立ち込める嫌な気配を感じたので俺はゆっくり振り向いた

「た、高野さん!」

高野さんは俺達をじーっと見たまま何も言わなかった

「あっ高野さん!さっきこのどら焼き先生に貰ったんだ!エメ編みんなで分けようよ、高野さんも食べるでしょ!?」

「…ああ」

何故か高野さんはいつもよりも一層低いトーンでそう言うと俺をガン見してきた
なんなんだ…俺ミスしてまたなんか高野さんに迷惑かけたのか!?心当たりがない…
それに仕事上の文句なら休憩終わってからにして欲しい…今は休憩中だ!!
そう思って高野さんの視線を無視し貰ったどら焼きを一口パクついた

「このどら焼き美味しいですね普通のと違う気がします」

「でしょーここのは特別でさ…」

俺と木佐さんが話しているとそれを遮るように高野さんが俺のかじりついたどら焼きをひったくりパクリとその場で食べたのだった

「な!何すんですか!それ俺のですよ!?」

どら焼きを口の中でモグモグしながら高野さんは

「…これ俺の分でいーわ木佐、サンキューな」

そう言い踵を返して
その場から立ち去った
俺はむかついたので木佐さんに謝って休憩室を飛び出して高野さんを追いかけた

「…高野さんも大人気ないよねぇほんと、りっちゃんもりっちゃんだけどね」

木佐はクスリと笑いそう呟いて玉露を一口飲んだ



「何で人が食べてるもの盗るんですかっ!!俺がなんかしましたか!?」

「…お前らが仲良くしゃべってるからいけない」
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