過去拍手文

□月に祈りを
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〜〜月に祈りを〜〜




どうしようもなくふいに

1人でお酒がのみたくなった


最寄り駅のコンビニでビールを2本買う


自分は許容量以上の酒を飲むと記憶がとんでしまうらしい

だからその程度の量にしようと思った


アルコールにお世話になることは仕事絡みや付き合い、高野さんにつき合わないと仕事倍増と言われた時くらいで
俺はめったに口にしない

何かにストレスが溜まってはけ口を探してるとか、アルコールの味を堪能したいとか
そうゆう理由でもない


自分でも珍しいと思った



ビールを1人
ぐびりと飲みながら
自分の部屋のベランダから満月を眺めていた



月が綺麗だった





ほんのり酔いの回った意識で心のスイッチもやんわりとオフ状態に切り替わる



虚勢から解放される





高野さんに想いが向く程
素直になれない自分がいた



高野さんが俺に伝える、愛の言葉
全てがいとおしいと思う
でもそれを自分自身で上手く飲み込めなくて



好きなのに
好きなのに
好きなのに




苦しくて




本当の気持ちを伝えることが出来なくて



そう、はらはらと零した目で月を見ながら1人思った





でもいつかきっと
俺はあなたに突き通してた嘘を
諦める日がくると思う


その時きっと
今よりも心が通い合うのを感じる気がするんだ



その未来が
またひとつまたひとつ
僕らに近づいてく


ーーそう思うー




月に願いをかける



どうかあの人がもっと俺を
欲しがってくれますように




俺も
あなたをもっと欲しがるから


ほんのり熱い頬に夜風が当たって心地いい


ーーあなたを愛していますーー


そう呟き
心に火を灯し


律は静かに部屋の灯りを消した

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