過去拍手文

□ニャンコの日
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〜ニャンコの日〜


「高野さん・・その格好 どーしたんですか・・」

俺は幻でもみているのか

目の前には猫耳にしっぽ
両手にはふわふわな猫の手グローブをはめた高野さんがいる

「ああこれは作家に資料用にくれっていわれた奴だ」

今日はネコの日だから 借りてきたんだ
と猫の手グローブをつけたまま腕組して俺を上から見下ろしている



目の前がクラクラする・・この人は何がしたいのだ


俺に猫耳やらをつけろと強要するよりはましなのか?


そしてなんでこの人こんなえらそうな態度なんだ猫耳にしっぽまでつけておいて・・


冷静にみてみるとなんと間抜けな光景だ


しかしいつもの横暴な高野さんがこんな格好をしてると可愛らしささえ感じはじめてきた
所詮惚れた弱味なのだろうか・・・・

律はなんともいえない感情をもった


「と、いう訳で俺は今猫だ」

そういうと高野は律を引っ張ってソファーに座らせ、律の膝に頭をのせて横になり
懐に顔をうずめた


「ち、ちょっと高野さん何やってるんですか!?」

恥ずかしさから膝にのせられた高野から逃げようと律は身を捩らせるが

「ちょっとの間だけでいーから・・・律」

懐に向けられていた猫耳をつけた高野の顔が律を仰ぎ見て
甘えたような声で
そう訴えかけた


いつもより高野さんがしおらしい・・

これが猫耳の威力なのか・・なんか可愛らしくみえるのは気のせいだろうか・・


高野は律の懐に顔をうずめたまま猫のように体を少し丸めてソファーに寝転がったままでいた


律は少しの間動かずにそのまま高野のいうとおりにしていたが


いや・・こんなものにはだまされないぞ

これをつけてたって所詮いつもの高野さんなんだ!流されるな俺!

「…あの高野さんそろそろ離れてくださ…」

そう言おうとして律はふと高野がつけていた猫の手グローブに目をとめた


ピンク色の肉球に白色のフワフワの素材に覆われたぬいぐるみみたいなそれをみて

律は触ってみたいという衝動にかられて
思わず手を伸ばした


「わぁ・・プニプニでモコモコでなんか気持ちいいなぁ・・」

手で触り心地を楽しんでいると
それに気づいた高野が
ふいにグローブをつけたまま律の顔を両手でそっと包み込んだ


「こーするともっと気持ちいいだろ?」


律はいきなりそんなことをされてびっくりしたが
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