パラレル小部屋
□丸川純情学園〜高律編〜
1ページ/7ページ
それからと言うもの、相変わらず放課後になると小野寺は図書室に来て、俺がいつもの席で本を読んでいると、俺に了解をとってすぐそばに座って自分の読みたい本を読んでいた
相変わらず小野寺は緊張した様子で俺に話し掛けてくる
俺達の話題と言えばやはり本の話ばかりでアイツは本当に楽しそうにそれについて話し、俺の言うことに嬉しそうに耳を傾けていた
たまにソラ太の話題になると、元気にしてるかとか何か持っていくものはあるかなど聞いてくる
俺は今日家に来て様子をみていくかと聞くと
小野寺はいきり立って
「い、行きます!!」と毎度のごとく真っ赤になって反応する
そんなに真っ赤になって力むことはないのに…
家に来るのは部活が終わってからでもいいかと聞くとやはり真っ赤な顔で大丈夫です、といい
俺が部活が終わるのを図書室でずっと待っていた
俺達はそんなことを繰り返していた
捻挫の腫れも引いて無理をしなければ本格的な練習を始めていいと野分先生から言われ、俺は本格的に練習を再開した
他校との練習試合が近いため、俺は練習に没頭した
それ以降に行われる本大会を予測しての練習試合のため、強豪校との試合だ
無残な結果を残さないよう俺は本格的に練習ができなかった期間を取り戻すように、一層練習にストイックにのめり込んだのだった
部活が忙しくなったため前のように部活前に図書室に寄ったり、部活の後小野寺を家に呼ぶことはなくなったが、小野寺を校内で偶然みかけたり、剣道部の練習を見に来ていたりする時は
決まってアイツは俺と目が合うと真っ赤になって挙動不審になっている
そんな姿をみて吹き出してしまったり、本当に俺らしくない行動をして、羽鳥からも突っ込みを入れられる始末だった
俺も無意識に
アイツがいそうな校内や練習を見にくるギャラリーの山を探してしまうことが習慣になりつつある
この胸の中の暖かな気持ちは
あの頼りなさげな後輩を思う気持ち、庇護欲からなのだ
それ以外にはなにもない
そう俺は自分に言い聞かせるようにしていたーー
※※
「明日の土曜日剣道部が練習試合らしいよ」
「本当!?よく見えるとこで応援できるように場所とりしなきゃ!」
昼休み、クラスの女子がキャアキャアと盛り上がっていた
うちの学校の剣道部は成績も優秀で、しかも部員はイケメン揃いで羽鳥さんや高野先輩がいるから女子の注目度も必然的に高くなるのだ