パラレル小部屋

□丸川純情学園〜雪木佐編〜
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ーキーンコーンーー

朝の始業のチャイムがなる、息を切らし全速力で廊下を走って自分の教室に向かい勢いよく扉を開けた

「ハァハァハァ‥セーフ‥」

朝のHRが始まる前の教室の騒がしさに息を切らして入っていくとクラスメイトらがまた遅刻ギリギリかよと面白がってなじってくる
それを彼特有の人懐こい甘い笑みで余裕だよと言いかわし

全速力で駆け抜けたせいで弾む息を整えながら自分の席についた

「おはよう翔太。また寝坊?」

隣の席の亜麻色の髪の、緑色の瞳をもつ爽やかに笑う少年はいう

「ぶーっ、目覚まし時計セットし忘れー」

全くもぅ、呆れた声でやれやれと言う彼の名前は小野寺律

律とは中等部から仲の良い友達で、恋愛関係から何から何まで相談できる気の置ける奴だ
何でかとゆうと律は実は長い間同性の2つ年上の同じ学校の先輩に片思いしているからだ

※※

昼休み律と昼食をとっていると
「そういえば、さっき翔太が教室くるまえに例の先輩きてたみたい、翔太を探してた」
「あぁ…もしかして市村先輩?」

うんと答える律に俺は頬杖をつきジュースを飲みながら
「もっと物分かりいい人だと思ってたんだけどなぁ」

市村先輩とは一週間前に俺から別れを告げた
例のごとく相手からラブコールを受け顔も好みだったから付き合ったけど束縛はキツいし何より身体の相性が悪いと思った、それから電話や学校で顔をあわせるたびによりを戻そうと説得がひっきりなしだ
しつこいのは勘弁してほしい

「まだ翔太の事好きなんだろうね」
弁当を広げ卵焼きを箸でつまみながら律は言うと

「まさか、アイツは俺の身体だけが目当てだって」

ちぅーとジュースを勢いよく吸うと、その瞬間律は口に含んだ卵焼きを噴き出して咳こみ、顔を真っ赤にして下を向いてしまった

「汚ねー!…、相変わらず純情だな〜んな事で顔赤らめてさ〜」

ニヤニヤして律をからかう
高一ともなれば恋愛における身体の営みや知識はある程度経験したり情報として習得したり聞くことも慣れたものなのに律はめっぽう疎いのだ

まぁそうゆう事で真っ赤になって慌てる律を見るのは楽しいし正直可愛いと思う
これは恋愛感情ではなく俺と同じ香りがするから‥ まぁきっとこいつもネコ、だしな つうか俺とだったら俺がタチになるんじゃないか…?
そんな事を考えながら

「ってかそんな純情思考でその愛しの先輩と付き合いたいと思ってんのかよ」
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