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□赤面2丁
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彼女は女の子だが、まるでイタリア男性のように女性に優しく、日本人らしく慎ましく男性に好かれる。
女子がオルフェウスの練習を見学する尊に寄って話しかける。
「Chao!尊。今日はみんなでドルチェを作ったの」
「この前ドルチェが好きって言ってたわよね」
「わぁ、ビスコット チェリエーゼですか?こんな可愛い女の子達から貰えるなんて嬉しいです」
尊がありがとうございます。と綺麗に微笑むと女の子のテンションが一気にあがる。
「こ、今度はボッコノットを作ってくるわね!」
「ありがとうございます。じゃあ私も何か日本のお菓子を作ってきますね」
「きゃあっ楽しみ!」
イライラ
イライライライラ
「…フィディオ、大丈夫か」
無意識に眉間にシワが寄っていたらしく、パス練習の相手だったマルコがきいてくる。
別に大丈夫だ。ちょっと胸がモヤモヤしているだけなのだ。そりゃそのモヤモヤすら今は女の子に向けての感情だからカッコ悪いが。
「まあ女の子と話してるんだし」
「……分かってるよ」