One-Shot
□sand
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砂色の砂浜に白い波が寄せて返し、ほんの少しだけ、砂色を濃い砂色に浸食する。
でもすぐに砂色の砂浜に乾いて戻る。
「そこ寒そう」
「いいもん」
誰もいない岩場にしゃがみ込んで、風を堪えている私を守るように、風上にダビデが立った。
「砂色の砂」
「おもしろくない」
「ダビデのよりはマシ」
巫山戯た言葉遊びのついでに言ってみる。
「潮干狩りはもういいの?」
隣にしゃがんでも天根ヒカルは私よりも大きい。
だから、そのまま風が遮られる。
「だって」
ーー1人で寂しそうだった
そういって、強い力で私を抱き寄せた。
冷え切った体に彼の熱さと優しさが伝わってきた。
まぁすぐにみんなが来て押しつぶされそうになったんだけど。
ダビデが必死に守ってくれたから、私は無事でしたとさ。