RE-TURN
□気楽な関係
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「たのもー」
「……おまえかよ」
「何その態度ー、依頼に来たってのにっ」
仕事の合間に立ち寄った万事屋は今日も暇そうだ。
「あれ?
神楽ちゃんたちは?」
「定春の散歩だろ」
「銀ちゃんは?」
「留守番」
置いてかれたんだ、やーい、とからかったら怒られるだろうか。
ソファで横になっている銀時を素通りし、奥の部屋へ行くと案の定、布団は敷き放しだ。
「おい、依頼は?」
「仮眠取らせて」
普段着ている深紅のコートを脱いでしまえば、今日はカーゴパンツとTシャツだけだ。
コートを簡単に畳んで置いて、そのまま布団に横になる。
「仮眠て、寝てないのか?」
「朝早かっただけだよー。
そんで、次の仕事は明日の朝まで」
すぐに重くなってくる目蓋を潔く下ろし、眠りの世界へと足を踏み出す。
「仕事つめすぎんなつってんだろーが」
「無理はしてない」
呆れた言葉の後ろに潜む心地よい心配の気配に小さな笑いがこぼれた。