物語
□まさかの告白
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俺はいつものように、時間を見計らって生徒会室に行くと、鮎沢が1人。
いつもは眉間に皺を寄せ、資料を読んでいるか、書いているかの彼女。
しかし、今日は何故か頭を抱えている。
どうしたんだろう…
俺は扉を開け、中へ入る。
鮎沢の近くまで行くが、考えごとに集中しているのか気づかない。
「…なんで、あいつに……どう言っ……伝わる?はぁー…」
何やらぶつぶつ言っているらしい鮎沢に声をかけてみる。
「美ー咲ちゃんV何ぶつぶつ言ってるの?」
「わぁっ!!お前いつの間に!?つか、その名で呼ぶなっ!!」
びっくりして、勢いよく顔を上げた彼女は、顔を蒼くして辺りを見回す。
「俺達以外誰もいないよ。…何かあったの?今日の会長、ちょっと変だよ」
役員が帰ったことに気づかないなんてあり得ない。
少し心配になって、机の反対側から、彼女を見つめる。
すると、彼女は頬を朱く染め、心なしか潤んだ瞳で俺を見上げていた。
っ…その顔は本当にズルい
なんとか理性を留める。
そんな俺に爆弾が落とされる。
「う、碓氷っ…その、…だな…。す、好きっ…なんだ」