物語

□お月見DAY
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今日のメイド・ラテにはピンクや白のうさ耳と丸いしっぽをつけたメイドが、ご主人様方を癒やしていた。

2011年9月12日──
旧暦8月15日、いわゆる「中秋」と呼ばれる日で、この日に見える月が「中秋の名月」である。

メイド・ラテにも、中秋の名月のお供え物として、月の出る方向に
机を置き、月見団子やお神酒、サトイモ、枝豆、秋の七草のひとつである薄(ススキ)が供えてある。

今年は中秋の名月が6年ぶりに満月とかさなり、さらに綺麗な月が期待できる。
天気にも恵まれ、絶好の月見日和になった。


──数日前、メイド・ラテ

「うさうさ、さつきぴょ〜ん♡」

美咲は、うさ耳をつけ、ピンクと白のチェックのメイド服を着たさつき店長に迎えられた。

「て、店長。お疲れ様です。今日もよろしくお願いします」

「はい、今日も楽しく働いてね〜」
美咲は驚きつつも、いつものようにあいさつをする。

「ところで美咲ちゃん、12日は何の日だかわかる?」

「12日ですか?…確か十五夜でしたよね!?」
ニュースで聞いたことを思い出しながら答える。

「そう!だからこれはその日の衣装なの。美咲ちゃんは白いうさ耳としっぽね」

「はぁ…」
いろいろなこと考えるなと感心しながら、さつきの話を聞く。

「最初は美咲ちゃんはスタイルいいからバニーちゃんにしようかと思ったんだけど、碓氷君から許可がおりなくて…」
さつきは萌の花を咲かせながら興奮して話す。

「て、店長!?碓氷の許可って、なぜあいつの許可がいるんですか!?」
美咲はげんなりしながら言う。

「それは、俺が美咲ちゃんのご主人様だからv」

「お、お前っ、いつからいたんだ!つか気配を消すなよ!!」
いきなりの碓氷の登場に美咲は驚く。

「あっ、でも俺の前だけなら着てもいいよv」
碓氷はさわやかすぎる笑みを浮かべる。

「黙れ、変態宇宙人!!誰が着るか!つかお前は何でここにいるんだよ!?」
真っ赤になりながら、怒鳴る美咲。
その様子を更に萌の花を咲かせながら見ていたさつきが答える。

「碓氷君には、当日のメニューについてアドバイスを貰おうと思って」

「そういうこと。ほら美咲ちゃん、時間ないよ?早く着替えなきゃ。あっ、なんなら俺が着替え手伝ってあげるよv」

「消えてくれ」
美咲はげんなりしながら、ロッカールームに行った。




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