指先が描くのは

□第1章 汝は我が剣となれ
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けれど、間違いなくこの膨大かつ濃密な魔力は彼女から放たれているものだ。

警戒しつつ、私は彼女に近づく。



「…貴様、魔術師か?」

「…えぇ、そうよ」



酷く老成したような物言いと雰囲気に驚きつつも、彼女の問いに頷く。

そうか、と興味なさげに呟いた彼女はよく見れば纏うものはなく、床に無造作に広がる長い髪がその体を隠していた。



(このまま放り出すわけにもいかないか)



私は少女をひょい、と抱き上げる。

彼女はきょとんと目を丸くした。



「なんだ?私をどうする気だ?」

「君、何も着ていないんだもの。せめて服を着てから話をしましょう」

「…ふむ、人間とはいささか不便だな」



まるで自分が人間ではないかのような言い方をする彼女に眉をひそめ、私は彼女を抱いたまま、家屋の方へ向かった。



魔力の塊



(好みはある?)

(…そうだな、あまり華美なものは好まん)



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